“最後のディープ産駒”「ゴーマギーゴーの2020」が3億円!「スイープトウショウの2020」は2億円
2021年7月13日 05:30 日本最大級の競走馬セール「セレクトセール2021」が12日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで開幕した。初日は1歳セリが行われ、ラストクロップのディープインパクト産駒が4頭上場された。注目された「スイープトウショウの2020」(牡)は池田豊治氏が2億円(価格は全て税抜き)で一発で競り落とした。大ヒット中のアニメ&ゲーム「ウマ娘」を展開するサイゲームスの親会社サイバーエージェント社長の藤田晋氏は、3億円の良血馬など12頭を落札した。13日は引き続き当歳セリが行われる。
セレクトセールの目玉といえばディープインパクト産駒。19年7月に世を去ったディープインパクトは同年の種付けシーズンで首を痛めていたこともあり、ラストクロップの現1歳血統登録頭数は6頭だけ。うち2頭は既にクラブ法人に供用の見込みで、同産駒を手にするのは今回の1歳セール4頭が最後。いったいいくらになるのか――。
オープニングの上場番号1「ゴーマギーゴーの2020」にいきなりディープインパクト産駒の牡馬が登場。2億円のスタートから1000万円ずつ値が上がり、いきなり3億円。落札したのはバニシングポイントなどを所有する長谷川祐司氏。代理人の竹内啓安氏は「早仕掛けですね」と第一声のあと「最後のディープインパクト産駒というだけでなく今年の馬の中では群を抜いていた。血統、配合、馬、歩きがかみ合っていました」と満足げに語った。
午後7時半過ぎ、トリがやはりディープインパクト産駒の牡馬。上場番号248「スイープトウショウの2020」。母は秋華賞、エリザベス女王杯、宝塚記念を制すなどJRA8勝を挙げた名牝で、両親で計G1・10勝。スタートは2億円。その後は競り掛ける声はなく、静寂が続き、一発でハンマー。池田豊治氏が2億円で競り落とした。池田氏は「2億円を超えるようなら下りようと。一発で取れるとは。何よりディープ。母系の血統も魅力です」と疲れを見せず語った。
ノーザンファーム代表の吉田勝己氏は「一声で2億円。こんな種牡馬は2度と現れないでしょう」と感心しきり。実際、ディープ産駒が1番手とトリを務め、セールは活況そのもの。一方で、ディープ産駒はもっと高額になるのでは…という見方もあった。牝馬2頭のうち1頭は主取りで、牡馬2頭も高額ながら順当とも言える額。ラストクロップには希少性があるものの、他の良血馬と資金が分散し、購買者が冷静だった。この日、取り引きされた馬たちは来年6月以降にデビューする。
【牝馬1頭買い手つかず】この日、上場されたディープインパクト産駒4頭のうち2頭は牝馬。「ワッツダチャンセズの2020」は廣崎利洋HD(株)が1億2000万円で落札した。母は米国で芝9.5FのG1(ビヴァリーディS)勝ち。3歳上の全姉ロッタチャンセズ(4歳1勝クラス)が東京芝1800メートルで新馬勝ちを収めている。もう1頭の「ジュエルメーカーの2020」は8000万円からスタートしたが買い手がつかず主取りとなった。