【エルムS】アメリカンシード 飛躍の夏へ軽快11秒8“三度目の正直”で重賞初V必ず
2021年8月6日 05:30 三度目の正直となるか。ダートG3「第26回エルムS」(8日、函館)に出走するアメリカンシード(牡4=藤岡)が函館ダートコースで木曜追い。馬なり単走で軽快に駆け抜けた。スピードをフルに生かすためにチューンアップ、馬具の工夫でフォームをうまく矯正してきた。初めての函館参戦でも戦法から小回りコースは向きそう。3度目のダート重賞挑戦で初タイトルを狙う。
勲章を獲りに北の大地へやってきた。アメリカンシードは角馬場で入念に体をほぐした後、ダートコースへ。ゆっくりと歩を進め、徐々にスピードを乗せていく。5F68秒8でラスト1Fは11秒8。馬なりで軽快に駆け抜けた。動きを見届けた藤岡師が切り出す。
「気負うところもなかったし、伸びも良かったですね。ゴールを過ぎてからもいい走りだったし、ゆったりしたいいフォームで走れています。函館に来てからも落ち着いていますね」
冬の空に大きな夢を抱いた。昨年10月に1勝クラスを勝つとポンポンと3連勝。つけた着差は3走合わせて17馬身。どこまで強くなるのだろう。重賞初挑戦のマーチSで1番人気を背負ったのも期待の表れ。しかし、14着に敗れてしまった。落鉄、砂をかぶった影響があったが、負けて課題も見つかった。馬具を工夫するなど調整にスパイスを加えた。
「頭が高いところがあったので矯正しながら、体全体を使えるようにやってきました。馬具を使うことでハミの取り方が良くなりましたし、頭の位置も低くなった。うまくいっていると思います」
成果は結果として表れた。前走の平安Sは前半1000メートル59秒1という速いペースを刻んで逃げた。勝ち馬には離されたが、きっちり粘り込んで2着。ルメールは改めてレースを振り返った。「勝った馬(オーヴェルニュ)が強かったね。いい競馬をしてくれたと思う。前走が本当のアメリカンシード。スタートからスピードがあるし、ポジションも取れる。ペース次第では2、3番手でも競馬はできます」
もう足踏みはない。小回りの1700メートルは初めてだが、先行力がフルに生かせる条件。トレーナーは「秋は大きいところを目指したいですし、それくらいの素質はあります」とキッパリ。ダート重賞3度目のトライで、きっちりと答えを導き出す。