【スプリンターズS】クリノガウディー リベンジ期す 丸田助手「ようやく仕上がった」
2021年9月29日 05:30 秋のG1シリーズ開幕に合わせて新企画「G1リベンジャーズ」がスタート。現場記者が気になる穴馬をピックアップしていく。大阪本社の田村達人が先陣を切ってクリノガウディーを取り上げる。秋初戦のセントウルSと順調さは雲泥の差。急上昇カーブを描いて本番へ。昨年、高松宮記念(1着入線4着降着)のリベンジを期す。
予想は取材の感触を重視。足で情報を稼ぐのが自分のスタイルだ。前哨戦のセントウルSで本命にしたクリノガウディーは3着。春にオープン特別を連勝し、ひと皮もふた皮もむけた今なら…と自信はあったが、まさかの力負けにレース後はぼうぜん。本番は評価を下げるつもりでいた。この日、話を聞くまでは…。
藤沢則厩舎に到着すると真っ先に栗毛の馬体が目に入った。そう、クリノガウディーだ。毛ヅヤはピカピカで筋肉もりもり。「ようやく仕上がりましたわ」と担当の丸田助手は安堵(あんど)の笑みを浮かべる。聞けばセントウルSの中間は放牧先でせん痛を発症。乗り出しが遅れるアクシデントがあったという。入厩後は急ピッチで仕上げたものの半信半疑。不安を残した状態での前哨戦だった。
「放牧先でまともに乗れていなかったので入厩時は筋肉が落ちて、いつもの覇気がなかった。当時、稽古に騎乗してくれたジョッキー(岩田康)も“まだまだやな”と辛口のコメント。正直、状態に関しては6、7割ぐらいでした」
これを聞いて思った。前走は本調子ではなかったと。それで3着なら、むしろ評価できる。今回、調整過程は前走と比べものにならないほどの順調さ。鞍上の岩田康がつきっきりで稽古をつける。状態の良さがひと目で分かるのは1週前追い。上がり重点で坂路4F53秒1~1F11秒6と、はじけるようなフットワークで駆け上がった。これには丸田助手も納得の表情。
「岩田さんから“かなり良くなっている”と手応えのある言葉が聞けました。馬体にも幅が出てきたし、満足できる仕上げ。今回が勝負ですよ」
振り返れば昨年の高松宮記念で1着入線(4着降着)を果たした実績馬だ。バッサリ無印にするところだったが、ここは穴候補に格上げ。いや、◎抜てきの可能性も出てきた。金曜の枠順確定後、印を打つまで頭を悩ませる日が続きそうだ。