【凱旋門賞】優勝のトルカータータッソ ジャパンC参戦の可能性、鞍上は日本に縁

2021年10月5日 05:30

<凱旋門賞>優勝したトルカータータッソ(手前)

 3日(日本時間同日深夜)、パリ近郊のパリロンシャン競馬場で日本馬2頭が参戦してG1第100回凱旋門賞が行われた。JRA発売オッズで13番人気、単勝万馬券の伏兵ドイツ馬トルカータータッソ(牡4=M・ヴァイス)が外から伸びて大金星。11年デインドリーム以来、史上3頭目のドイツ調教馬による凱旋門賞制覇を果たした。日本馬はクロノジェネシスが7着、ディープボンドが14着に敗れた。勝ち馬トルカータータッソはジャパンC(11月28日、東京)出走の可能性もある。

 トルカータータッソは9月にドイツG1バーデン大賞を優勝。同レースは勝ち馬にジャパンC優先出走権が付与されており、ヴァイス師は「凱旋門賞の前にジャパンCの招待状を受け取っています。ジャパンCはオプションの一つとして考えています」と語っている。

 3日の凱旋門賞当日は曇りだったが、前日にまとまった雨が降っての重馬場。ここでドイツ馬の底力が生きた。父がドイツのリーディングサイアー・アドラーフルーク、牝系は曽祖母がアーバンシーの半妹というドイツ的“凱旋門賞”仕様の配合。ゴール前外から伸びてタルナワ、ハリケーンレーン、アダイヤーら有力馬をまとめてねじ伏せた。ヴァイス師はレース直後「何と言っていいか分からない」と絶句。「4~6着に入れれば…と思って挑戦しました。想像以上に素晴らしい」と語った。フランスではそれほど知名度のない中堅騎手のレネ・ピーヒュレクを起用したことについて「ジョッキーのことを信頼しています。このコンビに大舞台のチャンスを与えたかったのです」と語った。

 そのピーヒュレクは日本と縁がある。14年ジャパンC6着アイヴァンホウ、15年ジャパンC18着イトウの攻め馬手として2年連続で来日している。レースで両馬に騎乗し、のちに短期免許を取得したフィリップ・ミナリク(46)とは親友。ミナリクは昨年7月の落馬事故で大ケガを負って騎手生命を絶たれたが、今回の凱旋門賞でピーヒュレクはミナリクからプレゼントされた鞍で大輪をつかんだ。ピーヒュレクは、日本の印象について「とても美しい国で、レース場もその外も整然としていますね」と好印象を語っている。東京競馬場での調教はお手の物で、トルカータータッソが遠征するなら頼もしい味方となるはずだ。

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