松岡 左大腿骨骨折から6日東京で328日ぶり実戦復帰!4度の手術、命の危機…引退覚悟乗り越え

2021年11月5日 05:30

美浦トレセンの松岡(撮影・西川祐介)

 左大腿骨骨折のため休養していた松岡正海(37)が、今週の東京競馬から復帰する。昨年2月に落馬した際に骨折。2度の手術を経て、12月の香港カップでウインブライトに騎乗するために一度は復帰したが、術後の経過が思わしくなく計4度の手術を実施。血栓により重篤化し、生命の危機にも直面した。JRA重賞33勝の好漢が、復帰へ胸の内を明かした。

 松岡が調教スタンドに現れると、そこには自然と輪ができる。そのトークは楽しく、聞く者を飽きさせない。そんな好漢がついにターフに戻ってくる。「火曜に医者からOKの診断が出ました。体については若干の動きの悪さはあるけど、徐々に慣れていくと思います」

 久々にトレセンに戻って来たのは先月21日。「皆さんの元気な顔を見るために来ました。休みの期間は全く競馬を見てなくて、ソダシくらいしか知らないので教えてください」とやって報道陣をドッと沸かせた。その後は日々調教で馬にまたがり、徐々に感覚を取り戻していった。そして6日の東京で、昨年12月13日の香港C(ウインブライト2着)以来328日ぶりの実戦を迎える。

 昨年2月8日、東京6Rの落馬で左大腿骨を骨折。完治はしていなかったが、わずか8カ月で復帰。連覇の懸かるウインブライトの香港Cに挑むためだった。香港でのG1・2勝など重賞7勝を挙げた相棒の引退レースのために、騎手生命を懸ける決断をした。だが、その代償は大きかった。なかなか骨がつかず、今年に入って2度、計4度の手術を実施。年明けには体内にできた血栓で命の危険にもさらされ、引退も頭をよぎったという。

 それでも復帰への思いは燃え尽きず、懸命のリハビリを開始。これまでやっていなかった筋トレを始めた。「ブルース・リーを見て影響を受けて。俺も人生で一度ぐらいはやってみるか?と。ダンベル、ベンチプレス。上半身の方は特に問題なかったので、かなり鍛えました。下半身の方が徐々に追いついてくれば」

 復帰週は東京で土曜3鞍、日曜3鞍に騎乗する。日曜4R新馬戦のジュングローリーは「前向きで徐々に状態も上がってきている。幼いところがあるけど、それが競馬にいい方に出れば」。同6Rのサンブルッキングズは「2週続けて調教で乗っているけど、だいぶ形になってきた。いいスピードがある」と評価する。「競馬は乗ってみないと…。フルスロットルの準備はしてるけどね」。慎重な姿勢も見せるが、いきなり全開のシーンを期待したい。

 【松岡の復帰経過】
 ▽20年2月8日 東京6Rで騎乗したゴールドミッションが最後の直線で右中手骨開放骨折を発症。その際、落馬し左大腿骨を骨折した。
 ▽同10月24日 約8カ月ぶりに東京競馬で復帰。2鞍に騎乗して8、10着。
 ▽同11月1日 ウインブライトとのコンビで天皇賞・秋に挑み10着。
 ▽同12月13日 連覇の懸かった香港Cでウインブライトに騎乗して2着。
 ▽21年10月22日 美浦トレセンで調教騎乗を再開。

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