【マイルCS】ダノンザキッド復権だ!連覇への道険しいグランアレグリア
2021年11月16日 05:30 過去10年の傾向から勝ち馬に迫る「G1データMAX」。今週は秋の最強マイラー決定戦「マイルCS」。最強女王と3歳新鋭の一騎打ちムードだが、果たして割って入る馬はいるのか?分析の結果、浮かび上がったのは、一度は頂点を極めた“あの馬”だった。
(1)年齢 4歳が5勝、2着5回で優勢。該当する連対20頭のうち半数を占める。これに続くのが2勝、2着4回の5歳。一方、3歳は2勝を挙げているが通算成績は【2・0・1・32】。連対率にするとわずか5・7%。近年は軽い重量を生かして、G1でも古馬と対等に戦う3歳馬が目立つが、このレースに関してはやや劣勢。17年ペルシアンナイト、18年ステルヴィオと3歳で優勝した2頭は、いずれも春はクラシックで善戦し秋に路線変更した経緯があった。6歳は1勝、2着1回で、7歳以上の連対は皆無。古馬優勢も高齢馬は苦戦傾向だ。
(2)ステップ 最も好成績を挙げているのが富士S組の3勝、2着3回。1着馬に優先出走権が付与される前哨戦。その役割をきっちり果たしている。スプリンターズS組、毎日王冠組が2勝ずつ。天皇賞・秋、安田記念、京都大賞典がそれぞれ1勝。いずれも強豪が集うレースで、厳しい舞台を経験してこないと好走は厳しい。一方、もう一つの前哨戦であるスワンS組は優勝がなく、2着4回止まり。7F→マイルへの距離延長がネックなのか。善戦はしても勝ち切れない傾向。今年は3頭がエントリーしているが、あくまで連下候補の評価だ。
(3)実績 優勝した10頭は全て出走時点で重賞勝ちの実績があった。まずこれは必須条件といえる。昨年Vのグランアレグリアを含む4頭がG1馬。残る6頭のうち5頭がG12着の戦歴を持っていた。残った1頭は14年Vダノンシャークだが、この馬もマイル重賞2勝を挙げ、前年の安田記念、マイルCSで共に3着と、能力は十分に示していた。重賞勝ちはもちろん、G1でも勝ち負けできるポテンシャルがないと、このレースを勝ち切ることは難しい。何より格が重要。ちなみに同年のサマーマイルシリーズの優勝馬は、過去に4頭が挑戦したが、いずれも9着以下に大敗している。
結論 本来は強いはずの4歳勢が今年はややパンチ不足。データから推したいのは3歳ダノンザキッドだ。春はクラシック路線を歩み、秋に路線変更した経緯は、過去に好走した3歳馬とかぶる。相性のいい富士Sからの臨戦もプラス材料だ。振り返れば、デビューから3戦無敗でG1ホープフルSを制し、最優秀2歳牡馬に選出された逸材。1番人気で臨んだ皐月賞では15着に惨敗したが、後に骨折が判明しており体調も本物ではなかったか。秋初戦の前走で4着と復活の兆しも十分。折り合い難を抱えるだけに、マイルG1の速い流れがフィットするとみた。
同じく3歳シュネルマイスターも当然有力。だが、データ的には気になる点も。同年のNHKマイルC優勝馬は、過去に10頭が挑戦したが05年ラインクラフトの3着が最高着順。既に安田記念3着、毎日王冠Vと古馬相手に結果を出しているシュネルなら、杞憂(きゆう)に終わる可能性も高いが…。一方、連覇に挑むグランアレグリアだが、昨年は安田記念→スプリンターズSを連勝しての参戦。今年は牝馬同士のヴィクトリアマイルしか勝てていない。5歳牝馬の好走例も少なく、上位争いは確実でも連覇となるとハードルは少し高いかもしれない。