【ジャパンC】(6)グランドグローリー 左回り連対率100%の仏G1馬は侮れない
2021年11月26日 05:30 国内外のトップホースが集結した「第41回ジャパンC」の枠順が25日、確定した。今年の外国馬はひと味違う!国際レースの外国馬は実績より何より適性とやる気。フランスからの遠征馬グランドグローリー(牝5)には勝ちたい理由がある。05年アルカセット以来、16年ぶり外国馬Vの可能性を探ってみると――。同レースの馬券は、26日に一部ウインズで前々日発売、27日から全国で発売される。
ジャパンCで外国馬が馬券になったのは06年ウィジャボードが最後。低調が長く続くが、今年は景色が違う。文句なしに欧州の一流馬が3頭来日。注目度はブルーム、ジャパンに譲るが、フランス馬グランドグローリーが何とも不気味だ。
今年8月のジャンロマネ賞(ドーヴィル、芝2000メートル)でG1初制覇した同馬は、ここがラストラン。帰国後に12月の繁殖牝馬セール「アルカナ・ブリーディング・ストック・セール」への上場が予定されている。なぜ極東に赴いて引退レースをするのか。イタリア出身のビエトリーニ師は言う。
「この馬は馬場を問わないんだ。重だろうが良だろうが、オールウェザーコースだって勝っている」
とりわけ左回りが得意。左回りのサンクルー競馬場で4戦2勝、2着2回。同じく左回りのリヨン・パリイ競馬場でも2着1回と、左回りでは一度も3着以下がない。
血統的な魅力もある。グランドグローリーは父の母の父がアルザオ。ディープインパクトの母の父と同じだ。母系に目を向けると、3代前の母ライトオブホープはアルザオの全妹。アルザオの父であるリファールを強調した配合。ジャパンCで好走したフランス馬では、エスプリデュノールもマジックナイトもエルナンドもリファールの血を引いている。
ジャンロマネ賞勝ち馬では、スタセリタとノンザが日本に輸入されている。ジャパンCでいいところを見せられれば、日本人バイヤーの購買欲は上昇すること間違いなし。これも遠征理由の一つだろう。
グランドグローリーは25日、千葉・白井の競馬学校から東京競馬場に移動した。アナイス・デュモン調教助手は「疲れはありませんよ」と事もなげだ。
イタリア出身のビエトリーニ師が、フランスで初めてG1を勝った馬。思い入れは人一倍。トレーナーのグランドグローリー評を聞いておこう。これだ。
「彼女は馬ができることなら、およそ何だってできるのさ」
この強気コメントに乗ってみたい。34年ぶりフランス馬の快挙もあるぞ。
▽ジャンロマネ賞 09年にG1昇格。夏のドーヴィルで欧州古馬牝馬の中距離No.1を決めるG1。G2時代の05年にプライド(のちにディープインパクトが出走した凱旋門賞2着)が勝っている。10年勝ち馬スタセリタが日本に輸入されて17年オークス馬ソウルスターリングを出したほか、18年勝ち馬ノンザもスタセリタ同様に社台ファームが輸入している。