【ジャパンC】(15)モズベッロ見限れない 枠順に関して森田師は気にせず「どうせ後ろからになる」

2021年11月26日 05:30

カメラに興味を示すモズベッロ(撮影・亀井 直樹)

 果たしてこのジャッジは正解なのか?

 木曜付紙面の「調教独断」でモズベッロにC評価を下した。坂路の最終追い(4F52秒9~1F12秒9)は完全に伸びあぐねたように見えたから。

 それでも絶対に見限れないのがこの馬。春の大阪杯ではコントレイルに先着する2着。昨年の3冠馬を負かした牡馬はエフフォーリアとこの馬の2頭だけしかいない。

 木曜、改めて森田厩舎を訪ねると、歩様と馬体を入念にチェックする指揮官の姿があった。晩秋の朝日を浴びて鹿毛の馬体が輝く。

 「だいぶ緩さが消えて、追い切る前よりトモ(後肢)の上がり方がマシになってきた。もうちょっと。もうちょっと良くなってくれたらと思う」

 陣営は秋最大の目標をジャパンCに置いていた。夏負けで始動が遅れたことが現在も尾を引いているが、白旗を揚げることはない。着順こそひどいものだが、段階を踏みながら状態を引き上げてきた。最終追いも「角馬場からCコースを1周回ってから」(森田師)の登坂を考えれば運動量は相当なもの。大舞台で戦うべく下準備は完璧に整っている。

 「前走(天皇賞・秋13着)でも本当ならあそこから来る。もうちょっと伸びる感じはある」。前走の“もどかしさ”が秋3戦目で払拭(ふっしょく)できれば、変わり身があっても驚けない。枠順は7枠13番に決定。「枠に関してはどこでも。スタートが良くないから、どうせ後ろからになる」と指揮官は気にしない。

 「さすがに勝ち負けまでは難しいが、頑張って入着ぐらいなら」。これが強気をオブラートに包んだ指揮官のコメントと受け取れば怖い。伏兵がひそかに牙を研ぐ。コントレイルに再び一矢報いるのはこの馬かも。

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