【チャンピオンズC】ソダシ抜群の末脚!牝馬初の“二刀流”芝&ダートG1制覇へ態勢万全
2021年12月2日 05:30 「リアル二刀流」の大谷に続け!「第22回チャンピオンズC」(5日、中京)でダート初挑戦の桜花賞馬ソダシが1日、栗東坂路で最終追い切りを行い、4F51秒8~1F11秒8の好時計をマークした。久々の単走追いでも抜群の末脚を披露。“元祖二刀流”クロフネの血を受け継ぐ白毛のアイドルホースが、牝馬初の芝ダート両G1制覇の偉業に向け、万全の態勢を整えた。同レースは2日に出走馬と枠順が決まる。
今までとは違う光景だった。ソダシが、ただ1頭で坂路を駆け上がっていく。14秒1→13秒6→12秒3と徐々にペースアップ。ラストは「1頭で走るとスピード感がないので“最後まで頑張れ”と気合をつけた」と吉田隼に気合をつけられ、パワフルに駆け抜けた。
単走での最終追い切りは昨年阪神JF以来2回目。近走は2頭併せで追走、先着する追い切りがルーティンだったが「併せ馬で後ろからかわすと、かわしてから突き抜けない。相手の調教になってしまう」と鞍上。ラスト1F11秒8は、この日の栗東坂路延べ938頭で最速。桜花賞1週前(4F52秒4)時にマークした自己最速にも並ぶ鋭い末脚を引き出した。須貝師も「精神的にも雰囲気も落ち着きがあっていい」と満足げに愛馬を見つめた。
白毛馬として芝で歴史を塗り替えてきたソダシ。血統背景からはダートでも大成する可能性を秘めている。父は元祖二刀流のクロフネ、母は全4勝をダートで挙げたブチコ。吉田隼も「2歳の時からパワーもあって、血統背景からも走り方的にも面白そうだと思っていた」と話す。実際に初めてダートコースで行った2週前追いで砂6勝の先輩馬アディラート(7歳オープン)相手に手綱を持ったまま楽に先着。指揮官は「スムーズな動きを見せてくれた。適性はないっていう方ではなく、あるとみた方がいい」とダート挑戦への手応えをつかんでいた。
2歳時から完成度は高かったが、今秋は坂路で自己ベストを連発するなどさらに成長を遂げている。「パワーもアップしているし、坂路でしまいを生かす調教でも12秒を切れなかったのが、11秒台で上がってこられるようになったり瞬発力もついてきた。しっかりしてきたのかな」。デビューからコンビを組む吉田隼はこう話した上で「二刀流が話題になっているので、ソダシにも二刀流になってほしい」と締めくくった。
芝ダート両方でのG1制覇なら史上6頭目、牝馬では初の偉業となる。日本人メジャーリーガーが世界を熱狂させた2021年。競馬界でもアイドルホースが前代未聞のリアル二刀流を成し遂げる。