【フェブラリーS】カフェファラオ連覇、コースレコードタイ!府中無敗の“鬼”復活、世界制覇も視野

2022年2月21日 05:30

<東京11R・フェブラリーS>(左から)ソダシ、テイエムサウスダンを振り切って連覇を達成した福永騎乗のカフェファラオ(撮影・郡司 修)

 王者の連覇、阻む者なし。今年のJRA・G1開幕戦「第39回フェブラリーS」が20日、東京競馬場で行われ、福永祐一(45)騎乗の2番人気カフェファラオ(牡5=堀)がコパノリッキー以来史上2頭目の同レース連覇を果たした。勝ちタイム1分33秒8はコースレコードタイ。今後は登録済みのドバイワールドC(3月26日、メイダン)、優先出走権を獲得したダート競馬の最高峰BCクラシック(11月5日、キーンランド)など海外遠征も視野に入る。

 1分33秒8、王者の走り。東京マイルをコースレコードで駆け抜けるカフェファラオの影を踏める馬はいなかった。独走態勢に入っても、その走りを緩めなかったのは2番人気に甘んじた王のプライドか。文句なし。2馬身半差の圧勝劇に、東京競馬場には祝福の拍手の音だけがこだました。

 復活の鍵は原点回帰。昨年V後は3連敗と苦しんだ。芝に挑み、馬具も試行錯誤したが結果が出ない。前走装着のブリンカーを外したこの日も大きさが異なるチークピーシーズを3種類用意し、陣営は最後の最後まで最良を模索した。レース前の作戦会議、新コンビの福永が「勝った時と同じでいいのでは」と提案。選ばれたのは昨年と同じ装具だった。

 「一番のポイントだった」(福永)というゲート。一歩目は遅れたが、鞍上が促すとファラオはスッと好位に浮上した。「堀調教師と相談していた通りのプランを遂行できた。砂をかぶらない3番手を取れた時点で“これで負けたら仕方ない”と思えた」。昨年と同じ4角3番手で直線を向く。必死に抵抗するテイエムサウスダン、ソダシを楽にかわした。「周りの馬は見ていなかった。馬上の自分のバランスを崩さないことだけに集中していた。復帰してから一番冷静に乗れていたんじゃないかな。療養中に騎乗依頼が来て、めちゃくちゃラッキーだと思ったし、信頼に応えなければならないと感じていた。いい仕事ができた」。自画自賛の満点騎乗。昨年12月に落馬負傷し、今月5日に実戦復帰したばかりの鞍上は気持ち良さそうに汗をぬぐった。

 国内は統一。今後は海外遠征も視野に入ってくる。堀師は「いろいろな選択肢がある中でオーナーと相談したい。(海外なら)登録を済ませているドバイワールドC、優先出走権があるBCクラシックが選択肢になる」と構想を明かした。福永は「乗っている感じでは距離(延長)は問題ない。ワンターン向きのフォームという感じでもなかった」と、4戦4勝となった東京マイル以外での活躍にも“お墨付き”を与えた。日本ダート競馬界の夢を背負う王の覇道は、無限大の可能性を秘めている。

 ◆カフェファラオ 父アメリカンファラオ 母メアリズフォリーズ(母の父モアザンレディ)17年3月3日生まれ 牡5歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・西川光一氏 生産者・米国ポール・P・ポンパ 戦績11戦6勝(重賞4勝目) 総獲得賞金3億2879万5000円 馬名の由来は冠名+父名。

 ▼アメリカンファラオ カフェファラオの父。2015年にアファームド以来37年ぶりに米国3冠を達成。種牡馬としては日本競馬との相性が抜群。同産駒のダノンファラオがジャパンダートダービー勝ち、外ラチ伸びで知られるリフレイムがオープン入り。産駒の20年フランス最優秀2歳牡馬ヴァンゴッホが今年から、米G2・BCジュベナイルターフスプリントを勝ったフォーウィールドライブが昨年から日本で種牡馬として供用されており、旬の血統だ。

 【フェブラリーSアラカルト】

 ☆騎手 福永のJRA・G1勝利は昨年ジャパンC(コントレイル)以来で通算33勝目。テン乗りでの勝利は昨年の天皇賞・春(ワールドプレミア)以来3度目。これで26年連続JRA重賞勝利(通算158勝)となった。

 ☆調教師 堀師のJRA・G1勝利は昨年の同馬によるフェブラリーS以来で通算14勝目。

 ☆外国産馬 20年モズアスコットから3連勝で通算7勝目。

 ☆牡馬圧倒 18年ノンコノユメ(セン馬)以外全て牡馬が制しており、通算25勝目。

 ☆レースレコード 勝ち時計1分33秒8は16年モーニンの1分34秒0を更新。

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