【桜花賞】逆襲サークルオブライフ 国枝師と歩む名牝の道へ!Wコース3頭併せ、ラスト1F11秒3

2022年4月7日 05:30

3頭合わせで追い切るサークルオブライフ(中)(撮影・郡司修)

 歩め、名牝への道。「第82回桜花賞」の追い切り。2歳女王サークルオブライフが美浦Wコースで万全をアピールした。3冠牝馬アパパネ、アーモンドアイの偉大な先輩に続く準備はできている。

 国枝師にとって11頭目の桜花賞最終追い。サークルオブライフの生き生きとした姿に、表情は自然と明るくなる。大一番前の余裕はアパパネ&アーモンドアイと2頭の3冠馬を手掛けた経験からか。「まだ早いけどこの馬も2頭みたいになる可能性はあると思っているよ。まあ(G1・9勝の)アーモンドアイは別格だったからな。(アパパネと同じ)G1・5勝で手を打とうじゃないか」と笑った。

 最終リハはアーモンドアイの桜花賞時と同じWコース3頭併せ。僚馬を追走する形で道中をクリアし、直線は外ロードオブシャドウ(3歳未勝利)、内モーソンピーク(5歳2勝クラス)にビッチリ挟まれた。2頭をスッとかわしたアーモンドのような派手さはない。それでも両サイドからプレッシャーをかけられ続けても動じぬ走りは、精神的に成熟している証だ。馬なりでラスト1F11秒3、最後まで自分のリズムを保って併入した。師は「リズム良く動けて滑らか。気分が良さそうだったのがいい。いい雰囲気で来られている」と納得の内容だった。

 桜が散る頃に満開を迎える国枝厩舎の牝馬勢。阪神JF優勝後に前哨戦のチューリップ賞(3着)で敗れたのはアパパネと同じだ。「前走は前が残っていた中で出していってリズムが悪かったのもある。休み明けでナーバスだったけど、今回は使われて落ち着きが出てきたよ。冬毛も抜けて見栄えもいい」と師。振り返ればサークルと同じく、3冠馬2頭もデビュー戦は敗れていた。牝馬の気持ちと成長に寄り添うからこそ、クラシックで全力を発揮できる。

 アパパネ、アーモンドはその末脚の破壊力をナタやカミソリに例えられた。サークルのセールスポイントは精神的、肉体的なタフさにありそうだ。「不利がなければ長くいい脚を使える。阪神マイルは競馬をしやすいし、枠がどうこうというのもない。落ち着いている馬なので輸送に全く問題がないのもいい」。タイプは違うが、大きな夢を見たくなる優等生型。真っすぐと3冠馬2頭の轍(わだち)を行く。 

特集

2022年4月7日のニュース