【皐月賞】荒れる春G1…“重賞未勝利馬”ジャスティンパレスに追い風

2022年4月13日 05:30

高倉を背に調教から引き揚げるジャスティンパレス

 【G1ドキュメント・栗東=12日】栗東トレセンの調教開始時間は今週から午前6時になった。1時間早くなり、寺下は“出遅れ”ないようにスマホのアラームをいつもの倍セット。二度寝して焦ったが無事に間に合った。開門時間の気温は12度。過ごしやすい季節になり取材へ向かう足取りも軽い。

 午前9時すぎ、坂路監視塔の下にいた寺下の目の前をG1特別ゼッケン「9」を着けた青鹿毛の好馬体が通り過ぎた。ジャスティンパレスだ。毛ヅヤがピカピカに輝き、ひと目で体調の良さが伝わってくる。ホープフルS(2着)以来になるが、ここ目標に乗り込みは十分。担当の池水助手は「トモがしっかりして成長しています。具合はいいですよ」と感触を口にする。

 2戦2勝で挑んだ暮れのG1は2着。同助手は「直線はフラフラしながらも2着に来た。スムーズだったら、もう少し差は詰められていたと思う。改めて能力が高いと思いましたね。まだ3回しか走っていないし伸びしろはありそう」と同じ舞台での反撃に燃える。

 池水助手は無敗で牝馬3冠を達成したデアリングタクトも担当する腕利き。右前肢のけいじん帯炎で戦線離脱していた相棒は13日、栗東に帰厩する予定。「再会するのは1年ぶり。楽しみとプレッシャーですね」と気を引き締める。牡馬でのクラシック挑戦は今回が初めて。「G1はG1なのでそこに向けて調整して、いい競馬をしてくれたら」と締めくくった。

 荒れる春G1。ここ3週のG1勝ち馬は8→8→7番人気の伏兵だった。3頭の共通点は重賞未勝利馬。ジャスティンパレスもここでビッグタイトルをつかみ取る可能性を秘めた逸材だ。

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