【皐月賞】アスクビクターモア 自己ベストのラスト1F11秒2!田村師「思った通り」
2022年4月14日 05:30 【G1ドキュメント・美浦=13日】「モノが違う新馬がいる。オーラが違う」。昨年6月、田村師が報道陣の前でそう宣言した。アスクビクターモアのデビュー戦前だ。田井はすぐにスタンドを駆け上がって同馬の追い切りを見た。半姉ケマーが英仏でG1・2勝の超良血。気品ある脚長の馬体にひと目ぼれした。
“予言通り”のクラシック参戦。大一番を前にしても師の強気は変わらない。「前走もまだ本気で走っていない」。2歳王者ドウデュースを抑えた弥生賞ディープインパクト記念のレース後、すぐに息が入った愛馬に自信を深めた。カイバ食いが落ちない。課題だったメンタル面も改善した。「感情のコントロールが難しい馬だが、リフレッシュして戻ってきてからは特に気持ちが穏やかで、騎乗者の指示を待てている。心身ともに充実。脚元も不安がないし、心肺機能も高いレベルにある」。
「思った通りの稽古ができた」という最終追いはWコース単走で6F82秒0~1F11秒2の自己ベストを計時。ハツラツとした動きにほれ直した。厩舎にとってはメジャーエンブレム(15年阪神JF、16年NHKマイルC)以来のG1制覇が懸かる。共同会見では「ビクターモアが当日に気持ち良く走れるようにしたい。レース後彼に“楽しかったよ”と言ってもらえるように。その一心で厩舎一丸となって献身的に支えたい」と穏やかな表情で語った指揮官だが、同馬の潜在能力への信頼は厚く、戴冠への思いは誰よりも熱い。中山コースは3戦3勝。デビュー戦から打ち続けてきた◎を途切れさせる理由がない気がする田井だった。