【安田記念】前めで流れ乗れるセリフォス有利!逃げ馬不在で前半4F46秒台濃厚

2022年6月1日 05:30

坂路でキャンター調整するセリフォス

 あらゆる要素から展開を多角的に分析する春のG1企画「展開王~前か後ろか」。東京5週連続G1のラストを飾るのは最強マイラーを決める安田記念。今年は前走で逃げた馬が皆無という異例のメンバーがそろった。同じ東京芝マイルで行われたNHKマイルC、ヴィクトリアマイルの結果も踏まえて浮上したのは唯一の3歳馬セリフォスだ。

 ダービーが終わり、今週で東京5週連続G1もラスト。芝マイルが舞台のG1はNHKマイルC、ヴィクトリアマイルと同じ。その結果を振り返り、三度目の正直で的中につなげたい。

 まず3歳限定のNHKマイルC。逃げ候補だったジャングロが出遅れたが、先行勢が競り合った結果、差し馬が台頭する展開になった。前後半4Fは45秒6→46秒7のハイペース。後方待機の18番人気カワキタレブリーが3着に浮上した。

 古馬牝馬限定のヴィクトリアマイルは逆に前後半4F46秒3→45秒9の前残り決着。逃げた18番人気ローザノワールが3着馬と鼻差の4着に粘った。勝ったソダシは道中4番手、3着レシステンシアも2番手を追走していた。前か、後ろか――。東京の芝マイル戦は展開で明暗が分かれる。展開王向きの舞台なのだ。

 では、安田記念はどんな展開になるのか!?今年はダートや短距離路線から新たなタイトルを狙って参戦する馬もいて、まさに異種格闘技と言えるメンバーがそろった。ただ、前走で逃げた馬は一頭もいない。流れが落ち着けば今年のヴィクトリアマイルのような前有利な展開になりそう。

 そこで注目したいのが3歳馬セリフォス。前走のNHKマイルCは行きっぷり良く好位に取りつき、直線は最内から抜け出した。ラスト100メートル付近までは先頭をキープ。差し決着を考えれば評価できる内容だった。騎乗した福永は「いいところを走れたが、周りに馬がいなくて最後は伸びあぐねた」と回顧。結果的に上位3頭は馬場の真ん中から外を通った。馬体を併せる形になっていれば、もっと粘れた可能性がある。

 ハイレベルだった昨年の朝日杯FS2着馬。当時の勝ち馬ドウデュースはダービー馬になり、負かした3着ダノンスコーピオン(NHKマイルC)、5着ジオグリフ(皐月賞)もG1を制した。展開を味方につければ、11年リアルインパクト以来の3歳Vを狙える。

 ▽東京芝1600メートルの特性 国内最多タイ3つのG1が施行されるチャンピオンコース。向正面奥からスタートし、最初のコーナーとなる3角までの直線が約540メートルと長く、枠順による有利不利が少ない。下りで3角に入り、4角から直線にかけて緩やかに坂を上る。コーナーでもペースが落ちず、隊列が大きく入れ替わることは少ない。最後の直線距離は525.9メートル。残り460メートルから300メートルにかけて高低差2.1メートルの坂を上れば、ラスト300メートルは平たん。直線が長く差しが決まりやすいが、展開次第では前残りも。高速決着が続く春開催は時計勝負に対応できるかもポイント。

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