【中京記念】サマー重賞は高齢馬を狙え!8歳カデナが熱い 体調管理に経験の差

2022年7月20日 05:30

カデナ

 今夏、始まった新企画「夏ラボ」は水曜付で馬券につながる情報や競馬界の旬なトピックなどテーマを決め、スポニチ競馬班が独自の視点で掘り下げる。第3回は田村達人(29)が担当。夏競馬には「夏は牝馬」や「夏は格より調子」など格言がある。新たに提言したいのが「夏は高齢馬」だ。これを検証してみた。

 夏はキャリアが浅い馬より経験で勝るベテランが活躍する。先々週プロキオンSは8歳ヒストリーメイカーが14番人気2着、7歳サクラアリュールが12番人気で3着に入り、3連単71万馬券が飛び出した。6歳が1~3着(ハヤヤッコ、マイネルウィルトス、スカーフェイス)を独占した先週、函館記念にしても4着は8歳ウインイクシード、5着が7歳サンレイポケットだった。夏のローカルは高齢馬の大駆けが目立つ。

 昨年の7歳以上の成績を調べてみた。年間トータルが【74・113・125・1820】で勝率3・5%、連対率8・8%、複勝率14・6%。他世代と比べて好走確率は決して高くはないが、高齢馬の魅力は何といっても配当だ。3着以内の312頭のうち、半数以上の183頭が5番人気以下だった。また、月別にすると7月は【10・13・10・124】で勝率6・4%、連対率14・6%、複勝率21%だった。他のどの月より成績がいい。ベテランは暑さに強い!

 今週、中京記念の出走予定馬で7歳以上は5頭いる。8歳の古豪カデナを担当する江藤厩務員はトレセン47年目を迎えた超ベテラン。これまで培ったノウハウを生かし、馬づくりに励んでいる。「競走馬というのは長い時間を経て、体や気持ちをつくっていく。未熟な若い馬が暑い夏を乗り越えるのは簡単なことではない」と説明した。

 基本的に競走馬は北海道で生まれ、育成時代を過ごす。地域によって冬場は氷点下10度を下回ることもある。寒さには強いが暑さに弱く、夏は体調管理に苦労するケースが多い。そこでキャリアの差が出る。江藤厩務員が続けた。

 「体調を判断するには馬の顔を見るのが一番。目の周りが黒ずんでクマができていたら夏バテの症状。これは若い馬に多い。カデナは年を重ね、経験を積んだことで暑さに耐えられる体になった。暑さを何度、経験しているか。そこが若手とベテランの差だと思う」

 経験が好走の要因の一つだと納得した。カデナはダートに起用した近3走から芝に戻る。小倉芝は20年小倉大賞典V、今年の小倉大賞典3着など【1・1・1・1】と好成績。夏の暑さも経験済みで19年小倉記念で勝ち馬メールドグラースから首差2着と好走している。「小倉は相性がいい。稽古の動きが良く、体調も良さそう」。週末、小倉の予想最高気温は30度超え。何度も暑さを乗り越え、気持ちも体も頑丈なベテランが若い世代に交じって存在感を示す。

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