【クイーンS】テルツェット 史上3頭目の連覇、父ディープ命日翌日に大仕事

2022年8月1日 05:27

<札幌11R・クイーンS>最内から差し切ったテルツェット(左)が連覇を達成。右手前は2着サトノセシル(撮影・千葉茂)

 今夏の札幌最初の重賞「第70回クイーンS」が31日に行われ、2番人気のテルツェット(牝5=和田正)が最内から差し切り、オースミハルカ(03&04年)、アイムユアーズ(12&13年)に続く3頭目の連覇を達成。ディープインパクト産駒は当レース4勝目となり、サンデーサイレンス産駒を上回る最多勝となった。

 ディープインパクトの命日翌日に、孝行娘が父にささげる産駒276回目のJRA重賞Vを届けた。テルツェットが直線、内ラチ沿いから父譲りの強烈な末脚を発揮。ゴール前で逃げたローザノワールをかわし、サトノセシルとの追い比べも鼻差制した。函館開催だった昨年も首差の勝利。札幌でも接戦をモノにして史上3頭目の連覇を達成した。

 クイーンS最多タイとなる4勝目を挙げた池添は「ゴールした瞬間はどっちが勝ったのか分からなかったので、差しててくれと思った。帰ってきたら勝っていたので凄くうれしかったです」と喜びを爆発させた。

 レースの前半1000メートル通過は61秒2のスローペース。鞍上は「3番手にウォーターナビレラがいて(武)豊さんがレース展開をコントロールしながら乗っているなと思っていた」と1番人気を警戒しながらも「内枠(1番)だったので、どこかで突っ込んで行こうと思っていた。最後は狭いところを抜けて来てくれたね」と相棒をねぎらった。

 池添自身はディープ産駒でJRA重賞10勝目。そのうち8勝を牝馬で挙げており、ショウナンパンドラ、シンハライト、グランアレグリアとのコンビでG1も制した。テルツェットとは初騎乗で見事V。「レース映像を見てどういう馬か把握しながら、返し馬でもつかんでレースに臨んだ。末脚のいい馬なので、そこを引き出すようにだけ考えていた。うまくいったと思う」と勝利をかみしめた。
 連覇達成を見届けた和田正師は「56キロ(昨年55キロ)を背負ってよく頑張ってくれた。小柄な馬だけど大きく見せるようになって成長している。今後どの路線に進むかはオーナーと相談して決めたい」。これまでG1は3戦して2桁着順に敗れたが、充実期に入ったディープ娘が秋のビッグタイトルを目指していく。

 ◆テルツェット 父ディープインパクト 母ラッドルチェンド(母の父デインヒルダンサー)17年4月20日生まれ 牝5歳 美浦・和田正厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績12戦7勝(重賞3勝目) 総獲得賞金1億7256万1000円 馬名の由来は三重奏、三重唱(音楽用語)。

 【クイーンSアラカルト】

 ☆騎手 池添は12年アイムユアーズ以来の勝利で通算4勝目。同レース4勝は保田隆芳元騎手に並ぶ最多勝利記録。JRA重賞は安田記念(ソングライン)以来今年6勝目、通算93勝目。

 ☆調教師 和田正師のJRA重賞は中山グランドジャンプ(オジュウチョウサン)以来今年2勝目、通算20勝目。

 ☆ディープインパクト産駒 2年連続の勝利で通算4勝目。JRA重賞は青葉賞(プラダリア)以来今年5勝目、通算276勝目。

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