横山武が歩む 父と同じ“一流への道”

2022年8月5日 05:00

横山武史

 【競馬人生劇場・平松さとし】

 今週末、現地時間6日に英国アスコット競馬場でシャーガーCが行われる。世界中から実績を残した騎手を招待し、着順に応じたポイントで個人優勝とチーム戦による団体優勝を争うイベント。22回目となる今年、日本から選出されたのは横山武史騎手(23)だ。

 武史騎手の父親はご存じ、横山典弘騎手(54)。さかのぼること21年、2001年に彼もシャーガーCに招かれている。現在は英愛選抜、欧州選抜、女性選抜と世界選抜の4チームで団体戦を行っているが、当時は英愛選抜対世界選抜の2チーム対抗。英愛選抜には今はなきP・エデリー元騎手の他、M・キネーン元騎手やK・ファロン元騎手といったビッグネームが並んでいた。

 また、世界選抜には当時まだ22歳で、イタリアで売り出し中だったM・デムーロ騎手の他、F・デットーリ騎手もイタリア代表として選出。横山典騎手と同じチームとして騎乗していた。

 「フランキーらと一緒に乗れて日本とは違う緊張感があったし、良い刺激になった」

 33歳の横山典騎手は当時、そう語った。

 さらにその3年後の04年、同騎手は再びアスコット競馬場を訪れた。今度は天皇賞・春(G1)を勝ったイングランディーレと共に、ロイヤルアスコットの目玉ゴールドC(G1)に挑戦したのだ。

 百戦錬磨の横山典騎手もさすがに緊張した面持ち。発走時間の1時間半近く前に騎手室を出て「1人でいるとかえって緊張しちゃう」と、しばらく雑談したのは良い思い出だが、このような経験を経て彼がさらに一流の騎手になっていったのは疑いようがない。

 冒頭で記した通り、今年は彼の子息である横山武史騎手が初めてアスコットで騎乗する。父がシャーガーに選ばれた時、彼はまだ2歳。その後、競馬場も改修され、父の時代とはまるで違う近代的なスタンドへと変身した。しかし、世界のトップジョッキーに囲まれて得る経験は当時も今も変わらないだろう。父同様、良い経験ができることを願い、私も当日は現地で観戦し、応援するつもりだ。(フリーライター)

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