【エルムS】フルデプスリーダーが初重賞、斎藤誠師は現役2位の12週連続勝利

2022年8月8日 05:25

<札幌11R・エルムS>鮮やかに差し切って重賞初制覇を果たしたフルデプスリーダー(手前)奥は2着ウェルドーン、右は3着オメガレインボー(撮影・千葉 茂)

 札幌競馬場の「第27回エルムS」は7日行われ、9番人気フルデプスリーダーが優勝。同馬を管理する斎藤誠調教師(51)は、現役調教師として単独2位の12週連続Vを達成した。

 追いかけるフルデプスリーダー。逃げるウェルドーン。1カ月前に函館で見た光景が札幌でも繰り返された。ゴール板、フルデプスが今度もわずかに前に出た。“前哨戦”マリーンSの1、2着馬がともに伏兵評価。意地のワンツー再現となった。ただ、今度は重賞の舞台。引き揚げてきた人馬には万雷の拍手だ。函館出身の道産子・丹内が「北の大地では僕、強いので」とガッツポーズで歓声に応えた。

 5歳にして磨きがかかった決め手。その武器を最大限に生かすため、課題のスタートに全集中した。ゲートで一度立ち上がったが、大きな出遅れにはつながらず。「ヒヤヒヤしたけどね。すぐリカバリーできたのが勝因」と丹内。即座に6番手まで位置を上げ、向正面では先行勢の直後につけた。「外の馬がたれて、内のスペースも空いた。最後はこの馬の勝負根性を信じて。追い切りがいい感じだったし、(前走騎乗した横山)武史からもいろいろ聞いていたので不安なく乗れた」。初騎乗とは思えぬ人馬一体のエスコート。あとは前走同様、ウェルドーンをかわすだけだった。

 管理する斎藤誠師は現役単独2位となる12週連続勝利を記録。新潟競馬場で愛馬の勝利を見届けた指揮官は「記録は後からついてくるものと思っています。暑い中、馬もスタッフも一生懸命頑張ってくれている。うちの厩舎は主流じゃなくて亜流ですから、“負けないぞ”って気持ちでやっています」とにっこり。2位に4勝差をつけ、関東リーディングの首位をがっちりキープしている。

 今夏3戦目を走りきったフルデプスリーダーは今後、放牧へ。師は「交流重賞含め、いろいろ使えそう。オーナーは海外に行きたがっているので、サウジやドバイを視野に入れつつ考えたい」と夢を膨らませる。北の大地で過ごした充実の5歳夏。連勝での価値ある賞金加算は、確かに海外進出への足がかりになった。

 ◆フルデプスリーダー 父へニーヒューズ 母ファーストチェア(母の父ジャングルポケット)17年1月28日生まれ 牡5歳 美浦・斎藤誠厩舎所属 馬主・小田吉男氏 生産者・北海道新冠町の村田牧場 戦績25戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億6839万7000円 馬名の由来は深海などの最深部+リーダー。

【エルムSアラカルト】

 ☆丹内 このレース初勝利。JRA重賞は21年目黒記念(ウインキートス)以来、通算5勝目。

 ☆斎藤誠師 このレース初勝利。JRA重賞は21年府中牝馬S(シャドウディーヴァ)以来、通算10勝目。

 ☆ヘニーヒューズ産駒 このレース初勝利。JRA重賞は21年マーチS(レピアーウィット)以来、通算10勝目。

 ☆関東馬 18年ハイランドピーク以来の勝利で12勝目、関西馬は15勝。

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