【札幌記念】5連勝の勢い再び!ジャックドール 馬なり単走で軽快駆け

2022年8月18日 05:30

函館の芝コースで追い切られたジャックドール(撮影・千葉 茂)

 夏のスーパーG2と言われるだけあって「第58回札幌記念」は実力馬がズラリ。話題満載の好カードで見どころの一つが主導権争いだ。ジャックドール、パンサラッサと逃げて結果を出してきた2頭が初対戦。速いのはどっち?17日の追い切りはともに函館芝コースで軽快に動き、好仕上がりを印象づけた。

 白毛対決と同様にファンの心を躍らせる希代の逃げ馬の激突。函館芝コース単走で追い切られたジャックドールは、天性のスピードから“音速の貴公子”サイレンススズカの再来と呼ばれるネクストヒーロー。その異名にたがわぬ推進力あふれる豪快な走りは、大阪杯5着敗戦からの失地回復を予感させる。

 藤岡佑は手綱を通して伝わるパートナーの状態を率直に伝えた。「大きく走らせるイメージで乗った。しっかり踏んで走るし、パワーがあるので洋芝は心配していない。疲労感がなく元気いっぱい。いい意味でお釣りのある仕上げ」。破竹の連勝が5で止まった前走の大阪杯は、金鯱賞レコード圧勝から中2週の臨戦。疲れが走りに影響があったことは否めない。最終追いの直線で何度も手前を替えた前走時のような姿はもうない。「前走は厳しい条件。この馬にしては最初100メートルのダッシュの乗りがいまいちだった。少しずつの誤差が最後の失速につながった」。右トモの落鉄もあり、G1初挑戦は不完全燃焼だったと言い切れる。

 歴代最高とうたわれる逃げ馬に姿を重ねられる相棒のポテンシャルの高さは鞍上が一番理解している。「金鯱賞は驚いた。常に安定してあの力を出せば、上の舞台でもチャンスはある」。大阪杯の4頭を上回る、G1馬5頭が集結したスーパーG2でもスケール負けはしない。

 意識せざるを得ないのが同型パンサラッサの存在。藤岡佑は「他馬が遅れるようならハナを主張する手もある」とけん制しつつ、番手からのレースでの好走歴もあるだけに「この馬のペースなら控えても大丈夫。そこは臨機応変に」と戦法は決めつけない構え。速いのはどっちか。現役屈指の逃げ脚を持つ竜虎の先陣争いにも注目だ。

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