【スプリンターズS】“夏組の3歳”テイエムスパーダ 人気急落で狙い目

2022年9月30日 05:20

厩舎周りで運動するテイエムスパーダ(撮影・亀井直樹)

 【G1ドキュメント・栗東=29日】朝一番の栗東は肌寒くなったが日が照れば、まだまだ暑い。秋G1開幕戦のスプリンターズSも“夏の延長戦”といえる一戦だ。過去10年で馬券に絡んだ30頭中23頭(勝ち馬8頭)がサマースプリントシリーズに出走していた。今年は出走メンバー16頭中12頭が夏組。その取捨がポイントになるのは間違いない。寺下が注目したのは3歳馬だ。

 今年のサマースプリントシリーズで3歳馬は【2・1・2・4】の成績。過去10年で3歳馬が同シリーズを2勝以上したのは16年(2勝)、21年(3勝)の2度しかなかった。該当した年はスプリンターズSでも3歳馬が16年=3、4、11着、21年=1、4着と上位争いしている。ハイレベルな今年の3歳馬も好勝負必至だ。

 3頭出走する3歳勢からテイエムスパーダをプッシュしたい。CBC賞を1分5秒8の日本レコードでV。前走の北九州記念は7着に敗れ、人気は急落しそうだが、逃げ馬にとってマークが薄くなるのは好材料だ。木曜朝、五十嵐師を直撃すると「前走は早めに来られたからね。注目もされていたし2走前とは違った」と振り返り「うちのが行くんやろうと周りがそう思ってくれたら(前に)行くのも楽になるだろうから」とライバルをけん制した。

 来年2月末で定年を迎える指揮官は今年、重賞3勝の活躍。「最後になって、やめようかという時にこういう馬が出てくるんだよな。神様も意地悪やな」と笑いながら「最後のプレゼントかも」と感謝も忘れない。五十嵐師にとってはテイエムプリキュアで制した05年阪神JF(8番人気)以来のG1制覇が懸かる。同じ勝負服で再び、波乱演出がありそうだ。

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