【凱旋門賞】ディープボンド 5番ゲートからこじ開ける!世界の川田が日本馬初Vへ導く
2022年9月30日 05:30 欧州最高峰の頂へ、アタックする準備が整った。「第101回凱旋門賞」は29日、出走馬と枠順が確定。川田将雅(36)はディープボンドとのコンビで自身4度目のチャレンジ。フランス伝統の一戦の重みを感じつつ、相棒の力をフルに引き出す意気込みを明かした。同レースは10月2日午前7時からJRAによる馬券発売(ネット投票)がある。
川田が凱旋門賞の舞台に立つのは今回が4度目。19年ブラストワンピース以来、3年ぶりとなる。「なかなか日本人ジョッキーが騎乗できるレースではないですからね。民放で海外のレースが生放送されるのは凱旋門賞だけ。幼い頃から凱旋門賞とブリーダーズCは特別なものだと父(佐賀・川田孝好調教師)から教わって育ってきました」と思いを語った。
昨年はラヴズオンリーユーでBCフィリー&メアターフを勝った。日本のファンも感動の勝利。続く香港カップで有終V。今年もチュウワウィザードでドバイワールドC3着、レッドルゼルでドバイゴールデンシャヒーン2着。海外のビッグレースで存在感を示している。
今年は日本馬4頭がエントリー。盛り上がりを見せる。届きそうで届かない。そんな思いが凱旋門賞というレースの存在感を増幅させる。レース当日はパリから遠く離れた日本でも、馬券予想も含めて熱い夜となりそうだ。
「日本馬が毎年、チャレンジする中で勝ち切れていない。だから、より“何としても”というところがファンの方にも競馬界にもあると思います。だからこそ、毎年チャレンジしています。僕がこうして騎乗依頼を頂けるのは、とても光栄ですし責任も重く感じています」
手綱を任されるディープボンドとは初コンビ。出国前に栗東で2度、追い切りにまたがり、28日はシャンティイで稽古をつけた。「とてもいい内容で走れていましたし、順調に来られていることを実感できました」と好感触を伝える。
フランスは12年夏に1カ月間、遠征した経験がある。その時の思い出を基に、現地に出張する報道陣にアドバイスもくれた。「その1カ月を過ごしたことで、凱旋門賞に参加できるようになりました。経験の積み重ねで、ここに居させてもらえていると思います」。今年はJRA騎手リーディングでトップを突っ走る。経験を積んで熟成した手腕。日本のトップ騎手という誇りを胸に、重い歴史の扉をこじ開ける。
◇川田 将雅(かわだ・ゆうが)1985年(昭60)10月15日生まれ、佐賀県出身の36歳。曽祖父から続く競馬一家で育ち、騎手を志す。04年、安田隆厩舎所属でデビュー。08年皐月賞(キャプテントゥーレ)でG1初制覇、16年にマカヒキとのコンビでダービー制覇、特別模範騎手賞を受賞。昨年3年連続5度目のJRA賞最高勝率騎手に輝く。JRA通算1万1481戦1801勝、うち重賞115勝(G1・20勝)。1メートル59、51キロ。血液型B。