【エリザベス女王杯】4歳ジェラルディーナが差し切る 前走・重賞V 実績後押し

2022年11月8日 05:17

データが導き出した本命馬はジェラルディーナ

 過去10年の傾向から好走馬を探り出す「G1データ王」。秋の最強牝馬決定戦「第47回エリザベス女王杯」は優勝馬&出走頭数が最も多い4歳の出走予定馬が2頭だけ。近年の女王杯では異例のメンバー構成となった。昨年のような超ビッグ配当が飛び出すのか?質量とも豊富な3、5歳馬が快走するのか?データ班が徹底的に解析した。

(1)世代
 過去10年で優勝馬6頭と断然の4歳馬はアンドヴァラナウト、ジェラルディーナの2頭だけ。3歳馬が外国馬マジカルラグーンを含めて5頭。5歳馬は20年3冠牝馬デアリングタクトなど大挙10頭。そして、6歳馬がローザノワール。ちなみに年齢別成績は…。3歳【2・4・2・27】(3着内率23%)、4歳【6・3・7・50】(同24%)、5歳【2・2・1・48】(同9%)、6歳【0・1・0・14】(同7%)。

 現4歳の中心的存在であるG13勝馬ソダシは次週マイルCS、オークス馬のユーバーレーベンはジャパンCへ。秋華賞馬アカイトリノムスメは既に引退。今回の女王杯。4歳は層が薄くなっているとみるべきか。それとも、残った厳選2頭を重視すべきか。悩ましいところだ。優勝馬が出ていない6歳は別として、残る2世代の3歳と5歳では「3歳優位」。5歳は低調だ。

 (2)前走
 女王杯で3着以内に入った30頭中、実に28頭が前走で重賞を使っていた。重賞以外をステップにして2着以内に入ったのは13年2着ラキシス(前走・鳴滝特別1着=現2勝クラス)だけ。オープン特別の新潟牝馬Sを勝って挑むホウオウエミーズや西宮S(3勝クラス)1着から臨む3歳ピンハイは厳しい。

 前走は府中牝馬Sが【5・5・3・42】。着外も多いが古馬の主要ローテ。15年を除けば、3着以内に最低1頭は必ず入っている秋華賞が【2・3・1・22】で2大主要ステップとなる。他ではオールカマーが【2・1・0・9】、札幌記念が【1・0・1・1】。以上の4重賞以外を前走で使った馬の優勝例はない。

 (3)脚質
 京都競馬場の新築工事に伴い、阪神で行われた直近2年は完全な差し決着。ラッキーライラックが連覇を飾った20年1~3着馬の最初の1コーナーの位置は「12番手、14番手、11番手」と2桁台。京都外回りで行われた17~19年に、逃げか2番手から3年連続で2着に粘ったクロコスミアの例はあるが、女王杯はもともと差し有利。12月末まで3カ月のロングラン開催が続く阪神の芝は前2年同様、Aコース6週目で内寄りが傷み始める。今年も中~外を通る差し馬優勢とみるべきだ。

(4)リピーター
 クロコスミアが代表例で同じ馬が繰り返して頑張るのも女王杯の傾向。ラキシスは13年2着、14年1着。ヌーヴォレコルトは14、15年連続2着。ミッキークイーンは16、17年連続3着。モズカッチャンは17年1着、18年3着。ラッキーライラックは19、20年連続1着。昨年好走した馬の名が今年も出走表にあったら注意したい。

 結論
 頭数は少なくても、優勝馬6頭を送る4歳は軽視できない。結論は良血◎ジェラルディーナだ。阪神で行われた直近2年の傾向に合う差しタイプ。重賞初Vを飾った前走・オールカマーでは3着ウインキートス、6着デアリングタクトを完封。オールカマー組は14年ラキシス、15年マリアライトとVを飾っているのも心強い。他世代では連覇を狙う5歳アカイイトに注目。ラッキーライラックだけでなく、過去にはメジロドーベル、アドマイヤグルーヴが連覇した一戦。今年も人気は沸騰しないがリピーターかもしれない。人気の3歳はどうか。秋華賞1、2着馬では前に行くスタニングローズより、差すナミュールが阪神代替の女王杯には似合っている。 (データ班)

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