【中日新聞杯】2歳G1馬キラーアビリティ復活V!斉藤崇師&団野の師弟で初重賞制覇

2022年12月11日 05:00

<中日新聞杯>ゴール前の接戦を制した団野騎乗のキラーアビリティ(手前)(撮影・椎名 航)

 「第58回中日新聞杯」が10日、中京競馬場で行われ、5番人気キラーアビリティが直線、矢のような伸びを見せて2度目の重賞タイトルを獲得。グレード制が導入された84年以降、JRA・G1馬が当レースを制したのは初めて。鞍上の団野大成(22)は所属する斉藤崇厩舎の管理馬では初の重賞制覇(通算3勝目)となった。

 師弟の強い絆が2歳王者を復活Vへ導いた。キラーアビリティと初コンビを組んだ団野は師匠・斉藤崇師の管理馬で8度目の挑戦で重賞初V。団野は「毎年、年賀状に先生から“一緒に重賞を勝とう”と。結果を出して恩返しがしたいと思っていました」と最高の笑顔で喜びを口にした。

 鞍上の巧みなリードで豪快な末脚を引き出した。スタートで約1馬身のビハインド。激しい気性の相棒をもまれない後方へスッと下げた。道中は折り合い重視。だんご状態の直線は狭い1頭分のスペースを突き、グイグイ加速。先に抜け出した2着マテンロウレオをゴール前で首差捉えた。団野は「ペースが遅くなって折り合いはしんどかったけど、馬がこらえて最後まで伸びてくれました」と称えた。

 コンビ結成が決まり、中間は調教に3度騎乗。パートナーの悪癖を制御するため、クロス鼻革を初めて装着した。団野は「調教から着けて、実戦でも効果は大きかったです」と馬具の効果を口にした。

 約1年ぶりの勝利に斉藤崇師は「前回から(状態も)良くなっていたし、最後は地力を見せてくれました」と振り返った。デビュー4年目の弟子とのタイトル獲得に「いつか大成と勝ちたいと思っていたので本当にうれしいです」と声を弾ませた。今後については「続けて使うと、気持ちが乗りすぎる。放牧に出して来年を見据えます」と話すにとどめたが、復活した2歳王者が来年の重賞戦線を盛り上げていく。 

 ◆キラーアビリティ 父ディープインパクト 母キラーグレイシス(母の父コンガリー)19年1月27日生まれ 牡3歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績8戦3勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億2731万8000円。馬名は母名からの連想で素晴らしい能力・才能。

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