【フェブラリーS】レモンポップ“完熟”仕上げ!坂井と初コンタクト「凄く乗りやすい。イメージ通り」

2023年2月17日 05:30

ウッドチップコースで追い切るレモンポップ(撮影・河野光希)

 23年のJRA・G1開幕戦となるダート王者決定戦「第40回フェブラリーS」の出走馬が確定した16日、東西トレセンで1頭ずつが追い切った。美浦Wコースでは大器レモンポップが坂井瑠星(25)と初コンタクト。闘志を内に秘めつつ機敏な動きで駆け抜けた。枠順は17日に決定する。

 レモンポップの背には栗東から駆けつけた坂井。元G1騎手の田中博師が人馬の走りを真剣なまなざしで見つめる。「普段、この馬の当該週に騎手は乗せないのですが、1回は乗っておいた方が安心はあると思って…。感触を確かめてほしかった」と師。騎手出身のトレーナーらしい配慮だった。

 入念な準備運動を終え、リラックスした雰囲気でスタートした最終リハ。ハウゼ(3歳1勝クラス)を4馬身ほど前に置き、ゆっくりと加速する。内へ入った直線でさらに上がるギア。スピード感にあふれても重戦車のようなボディーは一切ブレない。その背で手綱を全く動かさなかった坂井は「凄く乗りやすい、いい馬だなと。こちらのイメージ通り」。極上の乗り味を堪能した。

 前走・根岸Sは厳しい戦いとなった。スタートで遅れ、3角からは他馬に早めに来られる形。それでもラストは実力馬ギルデッドミラーの猛追をしのぎ切った。「苦しい形でもあの着差(半馬身)。(G1でも)やれるんじゃないかという手応えは得ました」と師。レース直後は疲れもあったが、日に日に状態を上げてきた。「順調に回復できたので今週はジョッキーを乗せて“もう競馬だ”と理解させてもいいかなと。1週前の週中にやらなかったのも今日を逆算してのことです」。指揮官は冷静に説明した。

 焦点は得意の7F戦から200メートルの距離延長。それでも「過去に走った2度のマイルでも、それほどパフォーマンスを落としたとは思っていません」と力強い。昨年の覇者カフェファラオの回避、強敵・ギルデッドミラーの電撃引退。ここは中心を担うが、師は「G1で戦ってきた馬も多い。人気にはなるでしょうが挑戦者には変わりありません」。混迷を極めるダート戦線。平常心からニュースターの座をうかがう。

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2023年2月17日のニュース