【フェブラリーS】福永 万感ラスト追い!5戦ぶりコンビのオーヴェルニュと駆け抜けた

2023年2月17日 05:30

福永祐一を背にCウッドを単走で追い切るオーヴェルニュ

 栗東CWコースでは今週が国内ラスト騎乗となる福永祐一(46)がオーヴェルニュにまたがった。思い出の厩舎服を身にまとい、相棒の状態の良さを確認した。

 このジャンパーから福永の競馬人生が始まった。競馬の厳しさを叩き込まれた北橋厩舎の服を身にまとうと自然と気持ちが引き締まる。これが栗東での最後のG1追い切り。2週連続でオーヴェルニュにまたがり、CWコースへと飛び出した。

 3角すぎから徐々にペースを上げていく。直線、馬場の真ん中に進路を取ると馬なりのままストライドを伸ばし、ラスト1F11秒7で駆け抜けた。5Fは66秒6。予定通りだ。「この厩舎服で騎手生活が始まったので最後もこの服で締めくくりたかった。オーバーワークになることもなく余力を残して、いい追い切りができた。最後は気持ち良く伸びていたし状態に関しては言うことなし」。最後のJRA・G1での相棒を見事に仕上げた。

 チャンスは十分にある。オーヴェルニュは福永と5度、コンビを組み、21年の平安Sを快勝。のちにブリーダーズCディスタフで歴史的大金星を挙げるマルシュロレーヌを3着に封じ、6馬身差のレコードVを決めた。5戦ぶりのコンビだが勘どころは知っている。

 福永自身のフェブラリーSとの相性もいい。05年メイショウボーラーで初制覇。初ダートのガーネットS、根岸S、そして3連勝で戴冠。皐月賞3着馬を砂の頂点に導いた白井寿昭師(引退)の観察眼に驚いた。昨年1着のカフェファラオは初コンビ。前年の香港スプリント(ピクシーナイト)で落馬負傷し、療養中に依頼を受けた。関係者の気持ちがありがたかった。「メイショウボーラーは最後までノーステッキ。一生懸命走る馬でタフだった。カフェファラオは堀先生と話していた通りのプランを遂行できた」と振り返った。

 騎手としての栗東に別れを告げた。来週はサウジ国際競走(25日、キングアブドゥルアジーズ)のリヤドダートスプリントでリメイクに騎乗するため、国内では今週がラスト騎乗だ。「国内最後のG1騎乗依頼を頂いたし、何とか結果につなげたい。27年間、人と馬に恵まれてきたが騎手人生はまだ終わっていない。最後まで競馬に対して、しっかりした姿勢で取り組んでいきたい」。師匠・北橋氏の教えを改めて胸に刻み、最後の日本での競馬に臨む。

 ◇福永 祐一(ふくなが・ゆういち)1976年(昭51)12月9日生まれ、滋賀県出身の46歳。96年に栗東・北橋修二厩舎からデビュー。いきなり53勝を挙げ最多勝利新人騎手賞。99年桜花賞(プリモディーネ)でG1初制覇。11年最高勝率騎手、13年最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手などのタイトルを獲得。18年ワグネリアンでダービー初制覇。19度目の挑戦だった。20年コントレイル、21年シャフリヤールを合わせてダービー3勝。JRA通算1万9482戦2635勝、うち重賞160勝(G134勝)。1メートル60、52キロ。血液型B。

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