【金鯱賞】マリアエレーナ点火!シャープな脚さばきでCWラスト1F11秒8
2023年3月8日 05:30 今週から春の中京が開幕する。開幕週の日曜メイン「第59回金鯱賞」(1着馬に大阪杯優先出走権)はG1大阪杯(4月2日、阪神)の重要なステップレース。マリアエレーナは栗東CWコースで吉田厩舎流の火曜追いを敢行。余力を残して軽快に駆け抜けた。金子真人氏が所有した血脈を受け継ぐ芦毛の5歳牝馬が、万全の仕上げで2つ目の重賞獲りに挑む。
強い追い切りは必要ない。マリアエレーナは全休明けの火曜、松山を背にCWコース単走で最終追いを済ませた。走りたい気持ちを鞍上がなだめ、3角手前で手綱を緩めるとグンと加速。重心の低いフォームから、シャープな脚さばきで6F81秒1~1F11秒8を刻んだ。
感触を確かめた松山は「先週までに追い切りを重ねているので馬なりとの指示。時計的に少し速くなったが、具合が良くて馬がやる気になっています。前回より調子は上がっていると思います」とうなずく。厩舎のパターンでもある火曜追い。高島助手は「デビューからこの形で仕上げてきた。先週もCWコースでしっかり動けているし、今朝もリズム良く走れていた。冬毛は抜けきっていないけど、いい仕上がりです」と納得の表情を浮かべた。
昨秋、初めてG1にチャレンジした天皇賞・秋は1角で致命的な不利を受けながら0秒7差の7着。2年連続で参戦した前走・愛知杯はタフな重馬場に加えトップハンデ56・5キロを背負いながら3着。ともに敗れはしたが、左回り2000メートルは【1・1・2・1】と高い適性を示している。再び同舞台へ。高島助手は「前走は重量を背負う中で終始馬場の悪いところを走らされたが、よく頑張ってくれた。55キロになるのはいいし、左回りの2000メートルにこだわってレースを選択しています」と経緯を説明した。
前走後は放牧へ。リフレッシュ効果があり、馬体を増やして帰厩した。「440キロ近くある。調子の波がないタイプだし、まだ(能力的に)秘めたものがあると思っている。今年は一戦一戦ムダにしたくないですね」と復帰初戦から全力投球の構え。充実ムード漂う芦毛の牝馬が、尾張の舞台で牡馬相手に真っ向勝負を挑む。
《“金子勢”4頭が盤石スタンバイ》金子真人氏(馬主名義は金子真人HD)は金鯱賞にマリアエレーナ以外にも3頭がエントリーしている。ポタジェは一昨年3着、昨年4着に続き3年連続で参戦。昨年はここをステップに大阪杯でG1制覇を果たした。前走・有馬記念から2カ月半の休養を挟んで23年始動戦を迎える。ルビーカサブランカは昨年の愛知杯を制するなど当舞台は【2・1・1・2】と相性がいい。先行争いが激しくなれば、自慢の末脚がフルに発揮できる。