【皐月賞】安原浩司オーナー “やっと出会えた”トップナイフ勢いに乗って!当日は「中山で応援」
2023年4月12日 05:30 北海道在住の安原浩司オーナー(62)は先月26日の高松宮記念を所有馬ファストフォースで勝ち、2度目のJRA・G1制覇を飾ったばかり。皐月賞は21年北海道サマーセールで購入したトップナイフを送り込む。G1ホープフルSなど重賞で2着が3回の実績馬。勢いに乗るオーナーに意気込みを聞いた。
――所有馬ファストフォースが高松宮記念を勝ち、JRA・G1は京都開催の18年JBCレディスクラシック(アンジュデジール)以来2勝目。
「12番人気でしたが、実はかなり自信がありました。パドックを見た瞬間、今までで一番いいな、と感じて。西村調教師には“絶対に勝てるから”と伝え、それを団野君にも言ってほしいとお願いをしました。いつもは勝てるイメージ、負けるイメージの両方が浮かびますが、高松宮記念に関してはなぜか勝てるイメージしか浮かばなかった。スタート後は団野君が最高のポジションを取ってくれて、冷静な心境でレースを見守ることができましたね。家族や友達を含め皆さん喜んでくれて、本当に良かったです」
――馬主になったきっかけは。
「43年前に他界した父(義晴さん)が馬主でした。子供の頃からよく競馬場、牧場などに連れて行ってもらった記憶があり、競走馬との距離は近かったですね。いつか自分も起業したのちに、という思いがありました」
――セールにも積極的に参加されています。大事にしているポイントは?
「個人的には馬体のシルエットを含め、その馬が持っている雰囲気や歩き方を大事にしています。ただ一番はマネジャー、牧場の方々、厩舎など皆さんのチームワークのおかげだと思っています」
――トップナイフは21年北海道サマーセールで2420万円(税込み)で購入されました。
「他のセールにも参加しましたが、あまりピンと来る馬がいなくて。その年、最後のつもりで昆調教師と見に行って、そこで2人同時にピンと来た馬がトップナイフでした。やっと出合えた、という感じでしたね」
――ここ3走は重賞で惜しくも銀メダル。
「(4走前の)萩Sが将来、楽しみの広がる勝ちっぷりでした。強い調教をしてもへこたれず、勝負根性のある馬。以前と比べてオンとオフの切り替えができるようになったと厩舎の方々から聞いています。クラシックという大きな舞台に出走できることがうれしいですし、当日は中山競馬場で応援します」
――最後に馬主として達成感を感じる瞬間、今後の目標などを教えてください。
「僕にはマネジャーなどサポートしてくれる方々がいます。北海道(在住)なので普段から牧場の方々と一緒にいることが多く、そのチームで勝利の喜びを分かち合える瞬間がとても幸せですね。それとファンに愛される馬を持ちたいという気持ちが常にあるので、楽しみはたくさん。これからもチーム一丸で頑張っていきます」
◇安原 浩司(やすはら・こうじ)1960年(昭35)9月5日生まれ、北海道出身の62歳。ファイネストコーポレーショングループ、合同会社ESGのCEOを務める。06年馬主デビュー。08年3月の3歳未勝利(シャイニングデイ)でJRA初勝利。15年小倉2歳S(シュウジ)で重賞初制覇を飾った。