【皐月賞】ファントムシーフ主役 V項目全てクリア
2023年4月11日 05:18 過去10年のデータから勝ち馬を探し出す「G1データ王」。春G1開幕戦の高松宮記念で推奨したナムラクレアが2着に好走し、先週の桜花賞は猛プッシュしたリバティアイランドが牝馬1冠を制した。今週は牡馬3冠第1ラウンドの「第83回皐月賞」。データ班が導き出したのは近年、最も本番に直結するレースを制したあの馬だ。
(1)ステップ
黄金ローテは共同通信杯からの直行組だ。過去10年で5勝、3着2回と他路線を圧倒。21年エフフォーリア、22年ジオグリフと2年連続で勝利を飾っている。今年、共同通信杯を制したファントムシーフには追い風になる。トライアルではスプリングS組が36頭の出走で2勝、2着1回、3着2回と前哨戦では最も好成績を残しているが、勝率5・6%、連対率8・3%なら強くは推しづらい。今年の勝ち馬で3戦無敗ベラジオオペラの取捨が鍵になりそう。弥生賞ディープインパクト記念は【0・5・3・33】と未勝利。かつては王道のトライアルだったが不振。近年のG1は、ぶっつけ本番がトレンドになっている。先週の桜花賞も阪神JFから直行のリバティアイランドがV。トライアルをステップにしたメンバーより、非トライアル組が優勢だ。弥生賞組の1着タスティエーラ、2着トップナイフ、3着ワンダイレクトはV候補から外したい。
(2)前走着順
勝ち馬10頭のうち7頭が前走1着、あと3頭の15年ドゥラメンテ、18年エポカドーロ、22年ジオグリフは前走で2着を確保していた。前走2着以内が勝ち馬の絶対条件。前走3着以下から勝ち切るのは難しい。
(3)実績
重賞実績をチェック。勝ち馬10頭のうち8頭は芝1800メートル以上の重賞を制していた。あと2頭の15年ドゥラメンテは共同通信杯2着、18年エポカドーロはスプリングSで2着に入っていたように重賞の連対実績は必須だ。重賞未経験のシャザーン、ショウナンバシット、マイネルラウレア、ラスハンメルは脱落する。また、16年ディーマジェスティ、18年エポカドーロ、19年サートゥルナーリア、20年コントレイル、21年エフフォーリアは重賞以外を含め、芝2000メートルで勝ち鞍があった。距離経験があれば、さらに信頼度が増す。
(4)年明け出走回数
ステップの項でも触れたが近年は外厩制度が整備され、直行ローテが増加。いかにフレッシュな状態で本番を迎えるかが重要だ。年明けに4戦以上していた馬の連対はない。3戦(皐月賞が4戦目)は18年1着エポカドーロの1連対のみ。過去5年に限れば2戦(皐月賞が3戦目)も20年ガロアクリークが3着に食い込んだだけ。理想は年明けにトライアル以外で1回使って本番、あるいは今年初戦でも問題ない。
結論
項目を全てクリアしたファントムシーフに◎だ。昨秋に芝2000メートルの野路菊S勝ち、ホープフルS4着でこの舞台を経験済み。さらに前走・共同通信杯勝ちで中8週のゆったりしたローテも理想的。朝日杯FS2着ダノンタッチダウンは過去3戦が全てマイルで距離経験がないのが気がかりだが直行ローテに関しては割り引かなくていい。 (データ班)