【日本ダービー】“花の15年世代”種牡馬がポスト・ディープインパクト争い白熱!

2023年5月24日 05:30

各種牡馬の生産頭数

 ディープインパクト産駒不在のダービー。ポスト・ディープを担うのは“花の15年世代”の種牡馬だ。15年ダービーを制したドゥラメンテがシーズンリッチ、ドゥラエレーデを送り出せば、同ダービー14着のキタサンブラックはソールオリエンス、スキルヴィングの有力候補2頭出し。さらに同ダービー3着サトノクラウンの初年度産駒タスティエーラも出走。父にダービーの称号をもたらすのは…。

 15年春の2冠馬に輝いた父ドゥラメンテの再来を思わせるスリムな馬体。シーズンリッチが青地のダービー調教ゼッケンを誇らしげになびかせながら加速していく。美浦南馬場でその動きを見届けた久保田師は「父親をイメージさせるすっきりとした体つきです。新馬の当時からダービーを意識してきた馬ですから」と、3歳春当時の父とほぼ同じ490キロ前後の鹿毛に頼もしげな視線を向けた。同じドゥラメンテ産駒でも牝馬2冠を制したリバティアイランドは岩のようにごついマイラー体形。今ダービーに出走するもう1頭のドゥラメンテ産駒ドゥラエレーデも厚手の馬体だ。超一流種牡馬は自身の姿を前面に伝えないという。働き盛りの9歳で早世した後、自身に似ても似つかぬオークス馬と、よく似たダービー候補を送り出すのは超一流の証だ。

 同一産駒によるオークス&ダービー連覇がなれば19年のディープインパクト産駒(オークス=ラヴズオンリーユー、ダービー=ロジャーバローズ)以来4年ぶり。ディープ産駒不在のダービーを父子制覇で飾るか。

 ドゥラメンテと同世代のキタサンブラックは有力候補2頭を送り出すが、やはり自身の姿を前面に伝えていない。スキルヴィングは父に似た胴長のステイヤー体形、ソールオリエンスは中肉中背の中距離体形。異なるタイプの産駒が父の獲れなかったダービータイトルに挑む。

 ドゥラメンテが制したダービーで3着に敗れたサトノクラウンは初年度産駒タスティエーラを送り込む。新種牡馬のダービー制覇がなればネオユニヴァースの初年度産駒ロジユニヴァースが優勝した09年以来14年ぶり。ポスト・ディープインパクトを巡る種牡馬の戦いが白熱する。

 《3種牡馬の特徴と現況》ドゥラメンテは17年種牡馬入り。初年度種付け料は400万円で、キングカメハメハ後継としての大きな期待から、種付け数は国内種牡馬最高の284頭に及んだ(産駒数191頭)。産駒の評判が良く、種付け頭数の落ち着いた3年目でも種付け料がアップして600万円。21年には1000万円になり、エース級の評価となったが、タイトルホルダーが菊花賞に勝つ前の21年8月に急死。その後、スターズオンアース、リバティアイランドと2頭の2冠牝馬が登場。9歳の早世が惜しまれる。

 キタサンブラックは18年種牡馬入り。初年度500万円だった種付け料は、イクイノックスの活躍で23年1000万円。24年はさらに上昇するだろう。社台スタリオンステーション次代のエースだ。

 サトノクラウンは19年種牡馬入りで23年3歳が初年度産駒。初年度100万円とリーズナブルで、サンデーサイレンスを持たない血統背景により根強い人気がある。23年種付け料は150万円で満口。

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