【安田記念】ソングライン G1連勝&連覇へ視界良好!抜群の手応えで1馬身先着
2023年6月1日 05:30 攻め仕上げで連覇へ視界良好。東京5週連続G1のラストを飾る「第73回安田記念」の最終追いが31日、東西トレセンで行われた。美浦ではヴィクトリアマイルを制し勢いに乗る昨年覇者ソングライン(牝5=林)がWコース3頭併せで軽快な動きを披露。G1連勝に向け万全の態勢をアピールした。同レースの出走馬は1日に確定、枠順は2日に発表される。
「このメンバー相手にいい勝負をするには状態維持ではダメ。さらにもう一段階上げていかないと」
中2週でも林師は攻めを貫いた。ソングラインは負荷のかかるWコース3頭併せで最終調整。2馬身前を走る僚馬ヴァンナチュール(3歳未勝利)に徐々に詰め寄ると、抑え切れない手応えで直線へ。戸崎の腕が少し動いただけでギアチェンジ。あっさり抜け出すと、最後は内から伸びたパライバトルマリン(3歳2勝クラス)に馬なりで1馬身先着した。
タイムがその上昇度を物語る。ラスト1F(200メートル)こそ前走の最終追いと同じ11秒3だが、全体時計は0秒3速い5F67秒3。それを見た指揮官も「前走後もダメージは見られなかったですし、大変いい動きだったと思います」と満足顔。2週連続で感触を確かめた戸崎も「いい感じに来ています。前走より動きが良くなってますし、上がっている雰囲気はありますね」と笑顔を見せた。
復活劇の裏には陣営のある工夫がある。昨年のセントウルS、今年初戦のサウジアラビア遠征(1351ターフスプリント)でいつもの末脚が見られず敗戦した経験から、中間の調教パターンを一変。追い切り前日の火曜、土曜も、Wコースで長めに乗り、スタミナ強化に励んだ。「あの2戦はこちらとしてはいい状態だと思って送り出したけど結果が伴いませんでした。改善しなければいけない点が見つかり、一戦一戦模索しながらここまで来ました」(林師)。今回の中間も“新スタイル”で調整を続けた。
G1馬10頭の豪華メンバー。ディフェンディングチャンピオンとして臨む林師は「他の馬も強いとは思いますが、この馬も本当に強い馬。何とかもう一つタイトルをつかんでほしい」と愛馬を信頼。中2週、牡馬相手という難題を乗り越えた先に名牝の称号が待っている。
《“鬼門”突破なるか》グレード制を導入した84年以降、安田記念の連覇はヤマニンゼファー(92&93年)、ウオッカ(08&09年)の2頭のみ。また、ヴィクトリアマイルからの連勝はウオッカ(09年)のみ。20年アーモンドアイ、21年グランアレグリアですら2着に敗れている。ソングラインは“鬼門”を突破することができるのか。