【函館スプリントS】ブトンドール 態勢万全のラスト1F11秒6!3歳快速娘無敗スプリントで輝き再び

2023年6月8日 05:30

函館芝コースで単走で追い切ったブトンドール(撮影・千葉茂)

 北海道シリーズの開幕を告げるサマースプリントシリーズ第1戦「第30回函館スプリントS」はスピード自慢が集結。7日の最終追いで絶好の動きを披露したのが3歳牝馬ブトンドールだ。この舞台は昨年の函館2歳Sなど2戦2勝。久々のスプリント戦で本領を発揮する。

 開門直後の奇麗な芝コースをさっそうと駆け抜けた。ブトンドールは元騎手の大下助手を背に最終追い。序盤は折り合い重視で我慢の利いた走り。余力たっぷりで直線に入ると馬場の真ん中からグイグイ脚を伸ばし、5F67秒4~1F11秒6を馬なりで刻んだ。函館に移動前の1週前追いが栗東坂路で全体時計を4F52秒9にまとめ、ラスト1F11秒3は自己ベスト。もう中身はできている。大下助手は「栗東でしっかりやってきたので今週はしまい重点。調教はやればやるだけ動くし、いい状態で臨める」と好感触を口にする。

 昨夏、函館でデビューすると芝6Fの新馬戦、函館2歳Sを連勝した。洋芝適性は証明済みで、パワーとスピードを兼ね備えたスプリンター。「2歳時に重賞を勝っているように、元々の完成度が高い馬だった。本質的には千二、千四まで。函館では負けていないし、いいイメージがある」と舞台を歓迎する。

 父ビッグアーサーは16年高松宮記念覇者で、母プリンセスロックは短距離ダートで全3勝を挙げた。典型的なスプリント血統。ここ3走の敗因は距離的な面が大きく、決して力負けではない。前走・桜花賞は道中6番手から経済コースを立ち回ったが急坂で脚色が鈍って9着。鞍上の池添は「千六が長かったと思う。千二でいいレースをしてほしい」と巻き返しに闘志を燃やす。

 3歳牝馬は16年ソルヴェイグ、17年ジューヌエコールが勝ち、昨年はナムラクレアが久々のスプリント起用で復活Vを飾った。3頭とも前走・桜花賞からの参戦でデータが強く後押し。大下助手は「(古馬と比べて)重量は軽いし、開幕週の時計にも対応してくれると思う」と前向きな言葉で締めくくった。快速馬が無敗のスプリント戦、約1年ぶりの函館で輝きを取り戻す。

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