いまや競馬界の風物詩となった春～初夏にかけての“レーン旋風”は、今年は宝塚記念を待たず今週末でピリオド。113戦30勝（8日時点）。勝率26・5％の数字も驚異的だが、54年ゴールデンウエーブ以来のテン乗り（初騎乗）でのダービー制覇など、大舞台での剛腕ぶりも際立った。

　「今年は来日初週（2日で6勝）からダービーを含めて成功を収めることができた。さまざまな関係者のサポートに感謝したい。最後の1週間も頑張って活躍したい。ぜひ応援してください」

　今季ラストライドとなるエプソムCには、ダービーをタスティエーラで制した堀厩舎との黄金タッグで参戦。レインフロムヘヴンは2年連続でVに導いている好相性の相棒だ。7日の最終追い（Wコース5F66秒4～1F11秒6）にも騎乗し、「調教に乗って、テンションやフットワークに問題がないことが確認できた。全体的にいいコンディションだと感じた」と好感触を得ている。

　また、レーンは2歳新馬戦開幕から東京での施行レースを3戦3勝と全勝中。日曜東京5R（芝1800メートル）のダノンエアズロック（牡＝堀、父モーリス）も美浦きっての注目株。半姉にプリモシーン（重賞3勝）などがいる良血馬で、昨年のセレクトセールで4億5000万円（税抜き）で取引された。「先月25日に追い切りに乗った時にいい馬だと感じたが、その後の調教を見るとさらに成長している。凄く楽しみ」と期待を口にする。

　ダービージョッキーとなっても心境は変わらず、「一つ一つのレースを勝ちたいと思って乗るだけ」。2年連続のJRA・G1勝利で来年の短期免許取得条件をクリアしたオーストラリアの名手が、最終週も大暴れの予感だ。

　▼短期免許　レーンは昨年マイルCS（セリフォス）とダービー優勝で「当該年また過去2年にJRAのG1を2勝」の条件をクリアし、自国リーディング順位にかかわらず、24年もJRA短期免許を取得できる見込み。ただし、戒告や制裁を受けたことによる今年の累積制裁点はすでに24点。15点を超過した場合は、期間が通常の最大3カ月から2カ月に短縮される。また今年中に30点を超過した場合は、発給制限により来年の免許交付を受けられない。