【函館新馬戦】カルパ 姉・ソダシに続け!“出世レース”で飛躍の第一歩
2023年7月4日 05:30 白毛一族のサクセスストーリーは新章に突入――。函館の日曜芝1800メートル戦でG1・3勝ソダシの半弟・カルパ(須貝、父モーリス)が注目の初陣を迎える。調教ではパワフルな走りを披露しており態勢は万全。手綱を任されたレジェンド武豊(54)も期待十分。シラユキヒメ一族のプリンスが、姉も制した“出世レース”で飛躍への第一歩を踏み出す。中京組では新種牡馬レイデオロ産駒でG1馬ステルヴィオの半弟ラケダイモーンに注目。カルパと同じ須貝厩舎&金子真人HDのタッグで初陣Vを狙う。
薄暗い早朝の函館競馬場でひときわ輝きを放つ白い馬体。ソダシの半弟カルパだ。デビュー戦で騎乗するのはレジェンド武豊。伯母のユキチャンを白毛馬初の重賞V(08年関東オークス)へと導き、母ブチコにも騎乗経験がある。馬体をじっくり眺め「ソダシに似ているね、毛色が(笑い)。尾も白いよ(面白いよ)。口が硬いところはお母さんに似ているね」とジョークを交えて表現した。
先月14日に函館に入厩してから順調に調整を続けている。武豊が初コンタクトを取り、芝コース3頭併せの1週前追いが素質を感じさせる走り。ホウオウロザリー(3歳未勝利)を目標に、後方から重賞ウイナーのルビーカサブランカ(6歳オープン)がプレッシャーをかける隊列。直線は最内で併せ、楽な手応えで1F11秒3をマーク。馬体は430キロ台と小さいが、先輩馬にひるまない力強さと勝負根性を披露した。
感触を確かめた武豊は「動きはまずまず。芝で追ったのは今回が初めてだったけど、しっかり走れていましたよ」と納得の表情。動きを見守った北村助手は「ムキになったりビビりなところはまだあるけど、やっぱり全体的に賢い。2歳なのに物見をしたりしないですから」と精神的な強さに期待を寄せる。総じて陣営の評価は高い。
函館芝1800メートルの新馬戦は姉ソダシを含め、アドマイヤムーン、ゴールドシップなど後のG1ホースが初陣を飾った出世レース。舞台適性が気になるところだが、武豊は「シュっと脚を使う馬ではないし、この条件は合っているんじゃないかな」と適性を感じ取っている様子。世界初の白毛G1馬となった偉大な姉の背中を追って。一族期待のプリンスが、北の大地から新たなストーリーを紡ぐ。
▽シラユキヒメ一族 父サンデーサイレンス(青鹿毛)、母ウェイブウインド(鹿毛)から突然変異で誕生した白毛シラユキヒメを祖とする一族。娘ユキチャンが08年関東オークスで白毛馬重賞初V。孫ハヤヤッコ(母マシュマロ)は19年レパードS、22年函館記念とJRA重賞2勝。同じく孫のソダシ(母ブチコ)は20年阪神JFで白毛初のG1制覇。21年桜花賞では初のクラシック制覇を飾った。白毛ではなく鹿毛だが、同じく孫のメイケイエール(母シロインジャー)も重賞6勝と活躍。現2歳ではユキチャンの子アマンテビアンコ(牡=宮田、父ヘニーヒューズ)が6月17日の新馬戦(東京ダート1400メートル)を勝ち上がっている。