セキフウ差し切った 武豊・幸四郎師兄弟3度目重賞V 武豊エルムS制覇は26年ぶり

2023年8月7日 05:30

<札幌11R・エルムS>口取りでの武幸四郎師(一番左)と武豊騎手(右から2人目)=撮影・千葉 茂

 武兄弟の笑顔が北の大地ではじけた。ダート重賞「第28回エルムS」は6番人気セキフウが勝ち、21年兵庫ジュニアグランプリ以来、2度目の重賞V。兄・武豊(54)、弟・武幸四郎師(44)による兄弟タッグでの重賞3勝目となった。武豊は97年バトルライン以来、26年ぶりのエルムS勝利でJRA重賞は通算356勝目。

 札幌のファンから「豊さーん!!」の大絶叫。セキフウの馬上で、武豊がスマートに手を上げて応えた。満面の笑みで出迎えるのは、弟の武幸師。これがウォーターナビレラ(21年ファンタジーS)、ライトクオンタム(23年シンザン記念)に続く、3度目の兄弟重賞Vとなった。武豊は「久々に重賞を勝てたので凄くうれしい。(初コンビのセキフウに)何で今まで乗っていなかったんだろうね」とジョークを交えて喜んだ。

 道中は最後方から。1~3番手で運んだ人気勢とはかなりの差があったが、名手は決して慌てない。「前が速くなりそうなメンバーだったのでマイペースで行こうと」。ギュッと凝縮した先行勢の馬群を目がけ、大外から進出。スピード感十分に位置を押し上げたが、本当のスイッチは直線まで隠していた。鞍上の合図で一気にはじけると、上がり3Fは2位より0秒6も速いメンバー最速の35秒5。豪快にライバルたちを差し切った。武豊は「少しもまれ弱いので外に出したかった。思ったより楽に追走できたし、4角の手応えも良かったです」と満足そうに振り返った。

 弟の武幸師にとっても手応えを感じる勝利だ。大沼S(2着)、マリーンS(3着)に続き、ここが今夏の北海道3戦目。中間は調教場所、メニューを熟考し、セキフウにとってのベストを模索した。「函館では張り切って仕上げたら馬が硬くなっていた。この中間はあまり追い切らず、自分が乗ってみたりといろいろ考えた。結果的に良かったですね」と武幸師。各陣営が頭を悩ませる真夏の“ダート3戦目”に、ベストの状態で送り出せた。

 次走について、師は「まずは休ませてから。昨年も行ったコリアC(9月10日、ソウル)は招待が来たらオーナーと相談します」と説明。一層、馬が強くなる4歳夏。武豊は「今日の感じだったら凄くいい脚を使う。まだまだ期待できる」とさらなる出世を期待する。武兄弟とセキフウ。ダート界に名トリオ誕生の予感だ。

 ◇セキフウ 父ヘニーヒューズ 母シヤボナ(母の父キングマンボ)19年4月17日生まれ 牡4歳 栗東・武幸厩舎所属 馬主・中辻明氏 生産者・北海道浦河町のバンブー牧場 戦績19戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億7510万7100円 馬名の由来は戚風(中国語でシフォンケーキ)の日本語読み。

 《記録アラカルト》
 ☆騎手 武豊は葵S(モズメイメイ)に続いて今年JRA重賞7勝目、通算356勝目。
 ☆調教師 武幸師は当レース初出走で初勝利。JRA重賞はシンザン記念(ライトクオンタム)に続いて今年2勝目、通算4勝目。
 ☆ヘニーヒューズ産駒 22年フルデプスリーダーに続く勝利で通算2勝目。JRA重賞は函館2歳S(ゼルトザーム)に続いて今年3勝目、通算13勝目。

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