【札幌2歳S】ガイアメンテ ドゥラメンテが送り出した逸材 気品があり独特の雰囲気

2023年8月29日 05:30

ガイアメンテ

 一子相伝の切れ味だ。「第58回札幌2歳S」(9月2日)に噂の大物ガイアメンテが出走する。新馬戦では“レジェンド”武豊(54)も絶賛する破格の勝ちっぷり。父ドゥラメンテが送り出した逸材が来春のクラシックへ勝ち名乗りを上げる構えだ。

 晩年の産駒は走るという。サンデーサイレンスは他界した02年にディープインパクトを出し、ディープも死の2年前にコントレイルを出した。ボスは晩年に跡継ぎをつくるともいう。馬に限らず、サルや犬、オオカミの世界でも。その伝でいけば、ガイアメンテは父ドゥラメンテが死の4カ月前に送り出した跡継ぎと言えるかもしれない。

 「ただ走るだけじゃありません。気品があって、独特の雰囲気を持っている。調教していても一頭だけちょっと格が違う感じ」。ガイアメンテを担当する山田助手がその馬上で感じたのは若駒時代のドゥラメンテと共通する名馬の相だった。「相当いいよ」。新馬戦のパドックで騎乗した武豊もその際立った素質を感じ取ったのだろう。引き手を持つ同助手にこんな感想を漏らしたという。

 デビュー戦のレースぶりも破格だった。雄大なストライドで好位を追走すると、4角でもゴール前でも手前(軸脚)を替えないまま2馬身突き抜けた。「非常に強かった。いい走りをします。ストライドが大きくて力強いですし、安心して乗っていられました。今後が凄く楽しみ。それくらいの素材です」と振り返る武豊。山田助手は「ほとんど追わずにこの勝ちっぷりですから。粗削りですが、手前をしっかり替えたらどれだけ伸びたか。跳びが軽いので重馬場をこなしてくれたのも心強い」と言う。

 新馬勝ち後は放牧(ノーザンファーム早来)で成長を促し、23日に札幌入りした。「気性はまだソワソワ、チャカチャカしていますが、体はふっくらしてきた。馬体重も前走(482キロ)から少しプラスで出走できるでしょう。放牧先でも乗り込んできたので帰厩後も立ち上げやすい。ここも勝つイメージしかないです」(同助手)。

 ボスは晩年に跡継ぎをつくるという。春の2冠馬ドゥラメンテの産駒は現1歳がラスト。父が晩年に送り出した跡継ぎにとって札幌2歳Sは来春への通過点だ。

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