【京成杯AH】2番人気ソウルラッシュ差し切った 59キロ克服は81年サクラシンゲキ以来42年ぶり

2023年9月11日 05:25

<京成杯AH>レースを制したソウルラッシュ(撮影・村上 大輔)

 中山のサマーマイルシリーズ最終戦「第68回京成杯AH」はソウルラッシュが重賞2勝目。ハンデ59キロの勝利は42年ぶり。4着のメイショウシンタケが逆転でサマーマイル王者に輝き、サマージョッキーズシリーズはこのレースを制した松山弘平(33)が初めてシリーズチャンピオンの称号を手にした。

 強い馬は強い。直線、堂々と外を駆け上がったソウルラッシュ。トップハンデ59キロを背負い、強い逆風を真正面に受けながら、先に抜け出したウイングレイテストとの差を力強く詰めた。歓声に包まれながら、首差前に出たところがゴール。コンビ5戦目の松山は「強い競馬でした。僕が乗せてもらってから、なかなか勝つことができなかったのでうれしいです」。相棒の能力を再確認できた。

 開幕2日目の中山芝は完全な前残り傾向だった。スッと好位3、4番手に導いた松山は「馬場とメンバー構成を考えていい位置を取りたかったし、それに応えてくれた」と説明。巧みな手綱さばきに導かれ、506キロの雄大な馬体はブレることなく伸びた。この勝利でサマージョッキーズシリーズも逆転優勝とした松山は「(前の馬は)あまり気にしなかった。ポジションを取って自分のリズムで追走。脚もたまっていた」と納得の表情で振り返った。

 前走・安田記念は出遅れた直後に左右の馬に挟まれる不利。差し馬不利のペースにも苦しみ9着に終わった。状態面も絶好調ではなかった。池江師は当時を「悪い状態ではなかったけど、いつものハツラツとした感じはなかった」と振り返る。その感触は松山も同じ。復活した相棒を「安田記念より良くなっていた。この先、まだまだ良くなると思う」と称えた。

 今後は富士S(10月21日、東京)か、昨年4着のマイルCS(11月19日、京都)へ直行の二択。師は「(秋)4戦は使えないので、年末の香港も含めて考えていきたい」と説明した。トップハンデ馬の優勝は07年キングストレイル以来16年ぶり。59キロでのVは81年サクラシンゲキ以来42年ぶりだ。実は当レースの勝ち馬は次戦で25連敗中。そんな不吉なジンクスも、今のソウルなら気にならない。そう感じさせる、着差以上の完勝劇だった。

 ◇ソウルラッシュ 父ルーラーシップ 母エターナルブーケ(母の父マンハッタンカフェ)18年3月28日生まれ 牡5歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・石川達絵氏 生産者・北海道日高町の下河辺牧場 戦績16戦6勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億1921万8000円 馬名の由来は魂の突進。

 ≪記録アラカルト≫
 ☆騎手&調教師 松山のJRA重賞勝利は中京記念(セルバーグ)に続いて今年4勝目、通算39勝目。池江師は鳴尾記念(ボッケリーニ)に続いて今年3勝目、通算92勝目。

 ☆種牡馬 ルーラーシップ産駒のJRA重賞勝利は小倉記念(エヒト)に続いて今年4勝目、通算29勝目。

 ☆ハンデ ハンデ59キロは81年サクラシンゲキ以来、42年ぶり通算3勝目。トップハンデ馬は07年キングストレイル(57キロ)以来、16年ぶり通算14勝目。

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