【秋華賞】リバティアイランド 牝馬3冠達成!!単勝1.1倍の断然支持に応え圧勝

2023年10月16日 05:30

牝馬3冠を達成したリバティアイランド(撮影・亀井 直樹)

 牝馬3冠最終戦「第28回秋華賞」が15日、3年ぶりに京都で開催された。単勝1・1倍と絶大な人気を背負ったリバティアイランドが史上7頭目となる牝馬3冠を達成。G14勝目を飾った。鞍上の川田将雅は38歳バースデーVを決め、秋華賞初制覇。武豊、福永祐一、ルメールに続く史上4人目の3歳G1完全制覇を果たした。

 みんなの思いは一つになった。3冠奪取だ。リバティアイランドは3、4角の中間点で外からググッと前へ。絶対女王の行進。直線に入って早くも先頭へ。どこまで突き放すのか。胸が高鳴る。マスクトディーヴァが鋭い脚を放ったが関係ない。1馬身差をつけてVゴール。リニューアル京都で生まれた史上7頭目の牝馬3冠。大きな拍手に包まれ、カワダコールに沸いた。川田は潤んだ瞳に、感謝の思いを宿した。「心から感動しました。競馬場の雰囲気が素晴らしかったですね。勝ち切ってスタンドに戻ってくる中で、お客さんの素晴らしい雰囲気に出迎えられました」と振り返る。単勝支持率67・3%、1・1倍を背負って見事に勝ち切った。

 3冠ジョッキーの称号を手に入れ、3歳G1完全制覇を達成した。デビュー前からほれ込んでいた原石。輝く姿を想像、早い段階で阪神JFと同日に行われる香港国際競走に行かないことを決断した。膨らんだ思いは花開き、38歳の誕生日に歴史は生まれた。「ジョッキー生活20年目でこれだけの馬に出合えて、競馬の神様が与えてくれた最上のプレゼント。今回がG14勝目になりますけど、素晴らしい背中の上にいることを幸せに思います」と喜びを語った。

 管理する中内田師も晴れて3冠トレーナーとなった。「トリッキーなコースですけど、作戦は立てずジョッキーに一任しようと。3、4コーナーでうまく外に出して、進路をつくってくれた。“さすが将雅だな”と。チームが今までの経験を生かしてくれているのもあります。みなさんの期待に応えられましたし、ホッとした気持ちが大きい」と安どの表情を浮かべた。

 川田と中内田厩舎のコンビは今週3勝、JRAで171勝を挙げた。勝率は3割に届き、複勝率は優に5割を超える。トレーナーはそんな鞍上を「何も言わなくても仕事をしてくれる、仕事人。ウチのおじいちゃんが僕と将雅を最初につなげてくれました。祖父の命日がきのう(14日)で、翌日が将雅の誕生日。その10月15日にリバティアイランドが3冠達成してくれた。何かあるのかな。縁って面白いなと思います。先祖が見守ってくれているのかな」としみじみ語った。

 “川田と言えばリバティアイランド”という名パートナーが生まれた。次走は未定だが、これからは強豪牡馬との対戦が待っている。「返し馬でもう一つ良くなれるなという思いを感じました」と楽しみも乗せた。色づく秋の紅葉のように、関係はさらに濃さを増していく。大きな勲章を胸に、堂々と歩みを進める。

 ≪サンデーレーシング・吉田代表は感無量≫3冠制覇の偉業達成にサンデーレーシングの吉田俊介代表も感無量の面持ち。「強い馬だと思っていたけれど、いつも緊張しますね。いつもながら勝ててホッとしています」と胸をなで下ろす。「4コーナー上がって来る時に、やっぱり強いんだなと。体にもボリュームが出て、本当にいい馬になりました」と目を細める。注目の続戦だが、「結果を踏まえ、ジョッキー、調教師と相談してすぐに次を決めたいと思います。どこに行くにせよ、楽しみですね」と話していた。

 リバティアイランド 父ドゥラメンテ 母ヤンキーローズ(母の父オールアメリカン)20年2月2日生まれ 牝3歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績6戦5勝(重賞4勝目) 総獲得賞金5億4333万6000円。馬名の由来は「米・アッパーニューヨーク湾に自由の女神が建っている島」。
 

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