【エリザベス女王杯】ムーア思い特別!ジェラルディーナ連覇へ 併せ馬で気合注入上昇ムード

2023年11月10日 05:30

CWコースにて併せ馬で追い切るジェラルディーナ(右)(撮影・亀井直樹)

 「第48回エリザベス女王杯」(12日、京都)の出走馬が9日、確定した。連覇を狙うジェラルディーナが木曜追い。栗東CWコースの併せ馬で程よく気合を乗せた。休み明けのオールカマーを使って確実に上昇ムード。英国の名手ムーアは短期免許を取得して、今週から日本で騎乗する。血統の思い入れが強い超良血との初コンビ。手綱さばきにも注目だ。なお、枠順は10日に決定する。

 ハッピーな出合いを乗せて、連覇へ向かう。ジェラルディーナは中間、付きっきりで稽古にまたがる団野(レースはムーア)が騎乗。角馬場で体をほぐしてCWコースへ。僚馬セッション(3歳オープン)を相手に道中は5、6馬身のリードを取る。直線で馬体を並べ、併走が最後まで続く形。6F86秒3~1F11秒4をマークして、頭差遅れでフィニッシュした。“静”に終始した最終追い。団野は穏やかに切り出す。

 「時計はセーブしたものですし問題ないです。いつも通りの調教。併せ馬で気持ちを入れました。先週、先々週と動かしていますからね。活気がありますし、雰囲気はいい」

 1週前まで単走で追い、最終追いだけ併せるのはこの馬のパターン。3走連続の木曜追いに斉藤崇師は「馬の体調を考えて、全休明けは軽く乗って木曜に追い切っています」と説明した。今回もこれまでと同じステップを踏襲。「ゆったりと入れましたし、後ろから馬が来てもハミを取っていました。この時季が合うのか、毛ヅヤも去年みたいにいい形で迎えられると思います。1度使って確実に良くなっています」と上昇ムードを告げた。

 短期免許を取得し、今週から騎乗するムーアも初騎乗を心待ち。この日は美浦トレセンに姿を見せた。「毎回、日本に来るのを楽しみにしています。父モーリス、母ジェンティルドンナにも乗っています。その子供に騎乗できるのは特別な思いがあります。初めて乗るけど、去年の映像は見ています」と期待を膨らませた。

 父モーリスとのコンビは15年マイルCSに香港マイル、翌16年に天皇賞・秋と香港カップでG1・4勝。母ジェンティルドンナでも13年ジャパンC、14年ドバイシーマクラシックを勝った。オーギュストロダンに騎乗した先週のBCターフは絶妙なコース取りで勝利。「今から日曜日が楽しみですね」。超良血と名手の化学反応。血統への思い入れも胸に、いざ連覇道を突き進む。

 《ムーア処分保留》ムーアは4日の米ブリーダーズCターフ(オーギュストロダン1着)でカリフォルニア州のムチの使用制限を1回超える7回使用したため、罰金2万800ドル(約311万円)と12日のみ騎乗停止処分を科された。JRAは公式サイトで、ムーアから不服申し立てを受けたHISA(競馬の公正確保と安全に関する統括機関)から、裁定の結果が出るまで処分保留とする通知があったため、12日のムーアの騎乗を認め、HISAの裁定の結果が出た後に改めてJRAとして処分を決定すると発表した。

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