【マイルCS】ナミュール 紅一点曇りなし!高野流坂路2本乗りで万全ラスト12秒2

2023年11月16日 05:23

坂路2本目を上がり重点に追い切られるナミュール

 栗東坂路で好調をアピールしたのが紅一点のナミュール。富士Sの勝利で弾みをつけ、牡馬相手のG1獲りを目指す。

 絶妙なサジ加減で最終追いをクリアした。紅一点のナミュールは高野厩舎流の坂路2本乗り。2本目は前半2Fを16秒2→15秒7とゆったり入り、徐々にペースを上げていく。そこからギアを切り替え、スムーズに加速。4F58秒4~1F12秒2が示す通り、しまい重点で最後まで厩舎スタッフの手が動くことはなかった。派手な全体時計ではないが、これは予定通り。高野師は「体はできているし、整える程度。最後はしっかり反応できていたし、時計は気にしていません。調教後の表情や息の入り方を見ても、きっちり仕上がったし、休み明けを使って上積みは大きいと思う」と好仕上がりを強調した。

 昨年は牝馬3冠皆勤を果たし、桜花賞10着、オークス3着、秋華賞2着と同世代の牝馬同士では上位の力を示した。今年はマイル路線にシフトし、春は東京新聞杯2着、ヴィクトリアマイル7着から安田記念が16着。夏場は放牧で英気を養い、それがいい方に出た。秋初戦の前走・富士Sは中団の外から差し切りV。昨年チューリップ賞以来のタイトルをものにした。高野師は「前走はスタートを決めて道中の折り合いも良かった。状態が良かったので(直線は)狭いスペースを割ってくれた。最後の脚色も力強かったし、言うことなしの内容。改めてポテンシャルの高さを感じました」と内容を評価する。

 古馬になって体がひと回り大きくなり、前走はデビュー以来、最高体重の454キロで出走。「4歳秋になれば凄い馬になると思っていたんです。G1でも結果を出せる時期に入ってきた」と成長をアピールする。初コンビの名手ムーアがマイル女王の座に導くか。今の充実ぶりなら牡馬相手のG1でも一切、引けは取らない。

 ≪高野厩舎勢い十分≫11年開業の高野師はショウナンパンドラの14年秋華賞で重賞初制覇、翌年はジャパンCを制した。その後もレイパパレで21年大阪杯、スタニングローズで22年秋華賞と牝馬でG1を4勝している。先週は牡馬ジャンタルマンタルでデイリー杯2歳Sを制し、今週は牝馬の出番。厩舎の勢いに乗ってナミュールがビッグタイトルをつかみ取る。

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