【ジャパンC】イクイノックス 異次元V!G1で6連勝 歴代1位総獲得賞金22億円超

2023年11月27日 05:30

イクイノックスでジャパンCを制したルメールはガッツポーズ。 右はリバティアイランドと川田(撮影・村上 大輔)

 これが世界最強馬の走りだ。「第43回ジャパンカップ」が26日、東京競馬場で行われ、クリストフ・ルメール(44)騎乗のイクイノックス(牡4=木村)が単勝1・3倍の圧倒的支持に応えて快勝。父キタサンブラック(16年V)との父子制覇を達成。総獲得賞金は史上初めて20億円を超え歴代1位となった。次走は未定もファンからは暮れのグランプリ有馬記念(12月24日、中山)出走を熱望する声が上がっている。

 8万人超の大観衆が息をのんだイクイノックスの独走。世界ランク1位の評価にたがわぬ、いや、その期待をはるかに超えた圧倒的な走りにルメールは「皆さんの記憶に長く残り続けるレースになった」と感涙した。

 逃げたパンサラッサの前半1000メートル通過はレース史上最速の57秒6。海外G12勝の大逃げ馬が猛烈なラップを刻む中、イクイノックスは平然と3番手を追走する。「チャンピオンはどんな展開、馬場にも適応できる。乗っていて気持ちがいい」。残り500メートル、徹底マークの3冠牝馬リバティアイランドが先に苦しくなった。400メートル、G13勝タイトルホルダーを一瞬で抜き去る。250メートル、ノーステッキのまま先頭へ。後続の蹄音は聞こえない。最後は手綱を抑えスピードを緩めてゴール。それでも上がりはメンバー中最速3F(600メートル)33秒5。1頭だけ次元が違った。

 1着賞金5億円を獲得し総獲得賞金は22億1544万6100円。アーモンドアイを超え歴代1位となった。さらに同年ドバイシーマクラシックとダブル制覇で交付されるボーナス200万ドル(約3億円)もゲット。G1出走機会6連勝はテイエムオペラオー、ロードカナロアに並ぶタイ記録。G1以外での敗戦を挟まない、純粋な6連勝は日本競馬史上初。記録ずくめの完勝劇に、管理する木村師は「調教を見ているだけで涙が出る。爪の形、骨格、柔らかい筋肉、全てのパーツが奇跡的な組み合わせ。どうしてこれだけの馬が自分の目の前にいるのか…」。感激の面持ちで愛馬を称えた。

 優勝会見では海外メディアからも、今後について何度も質問が飛んだ。23日に発表された有馬記念ファン投票中間発表では14万票を獲得し堂々の1位。誰もがグランプリ参戦を待望している。同馬を所有するシルクレーシングの米本昌史代表は「そこも含めて全てが選択肢になる」と語り参戦を否定はしなかった。もし、世界一のヒーローの体力が許すならば…。グランプリで新記録G17連勝を達成するシーンを見たい。

 イクイノックス 父キタサンブラック 母シャトーブランシュ(母の父キングヘイロー)19年3月23日生まれ 牡4歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦8勝(海外1戦1勝、重賞7勝目) 総獲得賞金22億1544万6100円。馬名の由来は昼と夜の長さがほぼ等しくなる時。

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