【朝日杯FS】シュトラウス 新装美浦坂路最速タイ!4F50秒4、武井師も驚嘆「ここまで速くなるとは」

2023年12月14日 05:26

黛を背に併せで追い切るシュトラウス(右)(撮影・村上大輔)

 調教の動きだけに注目して勝ち馬に迫る「厳選超抜リスト」。2歳王者決定戦「第75回朝日杯FS」で気配が光ったのは前走・東京スポーツ杯2歳Sで重賞初制覇を飾ったシュトラウスだ。坂路で余力十分にパートナーに先着。4F50秒4は今秋新装オープンした美浦坂路で“最速タイ”の猛時計だ。2歳馬離れした底知れぬ基礎体力。盤石の仕上げで頂点へ突き進む。

 一体、どれだけの脚力を秘めているのか?シュトラウスの底知れぬパワーに坂路テレビにくぎ付けだった報道陣もうなった。鞍上・黛(レースはマーカンド)のアクションはムチを抜いた程度。2F付近で一瞬前掛かりになったが、最後まで脚色は衰えず、4F50秒4~1F12秒7。前を行くグランシエロ(4歳1勝クラス)をあっさり抜き去って、半馬身先着。パワフルな脚さばきで蹴り上げたウッドチップが高々と舞った。

 見守った武井師は「凄かったですね」と驚嘆の表情で切り出した。4F50秒4は今秋新装された美浦坂路で最速タイの好時計。「52秒台の予定。ここまで速くなるとは思わなかった…。間隔が詰まっている分、2F目(12秒1)が前走より強くなったけど、この時計で楽に上がってきましたしね。体力はめちゃくちゃあります。体も前走よりもいい」と目を細めた。前走・東京スポーツ杯2歳Sの最終追いは4F50秒9。2F目は12秒3で上がったが、残り2Fを12秒8~12秒3で再加速した。この日は2F目12秒1で残り2Fが12秒4~12秒7と減速傾向。欲を言えば、全体時計は緩めでも、ラストを伸ばすのが理想だったかもしれないが、2歳馬としては十分過ぎるほど動いている。

 これまで騎乗した外国人3騎手が手を焼くほど。スイッチが入ると、一気にトップスピードに入りかねない操縦性の難しさは残っている。それでも「ちょっとずつ、許容範囲になってきています」(同師)と精神面の成長も感じている。

 2000メートルのホープフルSではなく、デビュー2戦の新馬(1着)→サウジアラビアRC(3着)と同じマイルに戻した。「距離適性的にマイルにこだわる必要はないけど、現状マイルのペースが合うのは確か。多頭数とか、枠順など気になる面はありますが、気持ちのコントロールができれば、いい結果になると思う。当初、中山で予定していたマーカンド騎手がこちらに乗ってくれるということで託します」。指揮官は力を込めた。14日に栗東に移動し、レース当日に阪神へ輸送。母にマイルCSを制したブルーメンブラットを持つ良血が、2歳王者へ盤石の態勢を整えている。

 《流れは関東馬》今年のJRA・G1はフェブラリーSから阪神JFまで21戦を終え、関東馬13勝、関西馬8勝と関東馬がリード。関東馬の勝ち越しが確定している。年間のJRA・G1勝利数で関東馬が勝ち越すのは98年以来で実に25年ぶり。ジャパンC(イクイノックス)→チャンピオンズC(レモンポップ)→阪神JF(アスコリピチェーノ)と現在関東馬がG13連勝中。シュトラウスも東軍優勢の流れに乗る。

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