【朝日杯FS】ジャンタルマンタル 坂路加速で自己ベスト更新!4F52秒9、高野師「動きは良かった」

2023年12月14日 05:26

川田を背に坂路で追い切るジャンタルマンタル(撮影・亀井直樹)

 パワフルに駆け上がった。ジャンタルマンタルは坂路2本目の直前に川田にスイッチ。初コンタクトとなった最終追いは単走で感触を確かめた。最初の1Fを15秒0で入り、徐々に加速していく。時折、フラフラする面を見せながらも、ギアを切り替えるとグイグイ加速。最後は手綱を抑えて自己ベストをコンマ4秒更新する4F52秒9、ラスト1Fはこの日3位タイの11秒8を刻んだ。時計が示す通りの躍動感だ。高野師は「ジョッキー(川田)に伝えていた時計より少し速くなったが、能力が高いので時計は想定していた通り。動きは凄く良かったし、ジョッキーも素質を感じてくれたようで、いいコンタクトを取れたと思います」と納得の表情を浮かべた。

 秋の京都開幕週の芝1800メートルで初陣Vを飾り、続くデイリー杯2歳Sで重賞初制覇。いずれも好位から抜け出す優等生のレースぶりだった。とりわけ、前走は開催が進んで芝の内側は荒れたコンディション。外差しが利く馬場にもかかわらず、内ラチ沿いから力強く抜け出した。高野師は「デビュー当初からセンスのいい馬だと思っていたんです。前走は見ていて安心できるポジションで運べて、最後もいい脚を使ってくれました」と振り返る。

 希少価値のある血が日本の芝にマッチした。父パレスマリスは13年に米クラシック3冠最終戦ベルモントS(2400メートル)、14年にメトロポリタンハンデキャップ(1600メートル)とダートG1を2勝。その父の半弟にあたるジャスティンパレスは今年の天皇賞・春を制した。「産駒のサンプルが少ないので何とも言えないが、父が2400メートルをこなし、母(インディアマントゥアナ)が芝2200メートル(18年米G3レッドカーペットハンデキャップ)を勝っているので、スタミナは秘めていると思う」と分析。坂のある阪神に替わっても気にならない。2歳マイル王へ、無敗ロードを突っ走る。

 《高野師牡馬でもG1Vへ》11年開業の高野師は14年秋華賞のショウナンパンドラでJRA重賞初制覇を挙げ、現在JRA重賞25勝。このうち牝馬で17勝、先月19日のマイルCS(ナミュール)を含め、JRA・G15勝は全て牝馬でものにしている。牝馬の活躍が目立つが現2歳世代は12勝中、牡馬が7勝。28日のホープフルSは新馬、野路菊Sと連勝中のヴェロキラプトル、東スポ杯2歳S4着ショウナンラプンタがスタンバイ。ジャンタルマンタルを合わせ、牡馬でもG1獲りへ…と期待が高まっている。

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