【共同通信杯】2歳王者ジャンタルマンタル 今季初戦でパワーUP!高野師「うまく仕上がった」

2024年2月8日 05:30

坂路を単走で追い切るジャンタルマンタル

 クラシックを意識する素質馬がそろう「第58回共同通信杯」の最終追い切りが7日、東西トレセンで行われた。昨年、無敗3連勝で朝日杯FSを制したジャンタルマンタルは栗東坂路しまい重点で軽快な伸び。好仕上がりを印象づけた。

 シャープなフットワークで駆け上がった。ジャンタルマンタルは厩舎スタッフを背に坂路2本乗り。ハロー(馬場整地)明けに単走で最初の1Fは15秒3とゆったり入り、徐々にペースを上げていく。カーブを抜け、直線に向くと自らハミを取り、重心の低いフォームでグイグイ加速。最後は手綱を抑え、4F55秒6~1F11秒9を刻んだ。川田が稽古をつけた1週前に4F52秒4~1F11秒6と超抜の伸びを披露。最後のひと追いは、あえて速い全体時計を封印した。高野師は「先週ジョッキー(川田)が乗ってパワフルに動けたし、軽くスイッチが入ったので今朝は単走でサッと。思ったより時計が出たけど力みがなく、無理をしていない。動きもいいし、うまく仕上がりました」と納得の表情を浮かべた。

 昨秋は京都芝1800メートルの新馬勝ちからデイリー杯2歳S、朝日杯FSと無敗3連勝でG1を制し、最優秀2歳牡馬に輝いた。高野師は「前走は楽なポジショニングではなかったけどジョッキーがうまく道を切り開いてくれました。早め先頭で勝ち切ったのは地力の証。強い内容だったと思います」と振り返る。その後は宮城県の山元トレセンで激戦の疲れを癒やし、先月19日に栗東帰厩。前走から中7週で今季初戦へ。この短期間でも英気を養い、パワーアップした姿で帰ってきた。「体重はそんなに変わらないけど筋肉のボリュームが増したし、メリハリがあって、いい体つきになっていますね」とひと息入れた効果を口にする。

 1800メートルの距離自体は新馬戦で経験済み。初の遠征競馬は本番につながっていく。「ここなら左回りを経験できて、皐月賞(4月14日、中山)まで間隔も取れる。次の2000メートルを意識し、1800メートルのここで始動することにしました」。前年の最優秀2歳牡馬が共同通信杯を勝てば94年3冠馬ナリタブライアン以来、30年ぶり7頭目。名馬の背中を追いかけるように無敗ロードを突き進む。

 《現在リーディング11位の高野厩舎「いい雰囲気」》高野厩舎は先月28日に京都芝2000メートルでパシフィックルート(牡)が新馬勝ち。17年デビュー3連勝でフラワーCを制した母ファンディーナも高野厩舎で育った。高野師は「馬はまだまだですけど勝てたことが大きいですね」とゆかりの血統での勝利にうれしそう。今年JRA5勝でリーディング11位。厩舎の流れはいい。「いい雰囲気でスタッフも頑張ってくれています。ただ、上には上がいるので一生懸命やるだけです」と気を引き締めた。

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