【高松宮記念】ウインカーネリアンがバックレる!?心配なんてアウトオブ眼中

2024年3月22日 05:28

ウインカーネリアン(撮影・郡司修)

 春G1開幕戦「第54回高松宮記念」(24日、中京)の出走馬18頭が21日、確定した。スポニチG1新企画は人気ドラマにあやかった「不適性にもほどがある!?」。適性がないと思われて下馬評の低い馬を取り上げ、本当に買えないのかを問う。マイル重賞2勝のウインカーネリアンは7歳にして初のスプリント戦。買える?買えない?また中京競馬場で調整中の香港馬ビクターザウィナーが好気配。陣営は15年エアロヴェロシティ以来の香港馬Vに自信を見せた。同レースは22日に枠順が決まる。

 今回の“不適性”ホースはウインカーネリアン。

 【不適性ポイント(1)】マイルから1200メートルへの一気の距離短縮

 【不適性ポイント(2)】初のスプリント

 (1)について、96年のG1昇格以降、前走マイルからの距離短縮で勝ったのは00年キングヘイローのみ。同馬はダートのフェブラリーS(13着)からの臨戦で、前走芝マイル組延べ26頭からは勝ち馬が出ていない。

 (2)について、06年オレハマッテルゼ、14年コパノリチャードの2頭は初の6F戦でいきなりスプリント王者に輝いた。前例はある。ただ、それぞれ前哨戦の阪急杯で3着、1着と結果を残しており、7F出走歴すらないウインカーネリアンとは立場が違った。重賞2勝の実績、前走重賞2着と好調の近況にもかかわらず下馬評が低いのも納得できる。主戦の三浦も「自分の形で運べれば一番だが、スプリント路線のトップが集まるレースなのでそう甘くはない」と認めている。

 【反論<1>能力と状態】そもそもウインカーネリアンは強い。昨年の東京新聞杯1着でついたレーティングは115。当然マイル部門だが、今回の出走メンバーでそのレーティングを上回るのは、ディヴィーナ112と、ママコチャのスプリント部門112(牝馬は+4換算)のみ。

 出来もいい。三浦は「(条件が変わるので)いつも以上にコンディションや馬の気迫をしっかり競馬に向けていければと思って調整してきた。そこに関しては自信を持てる」と力強い。1週前にはWコース5F64秒3の猛稽古も消化。「前走以上の状態の良さが伝わってくる」と口ぶりは軽やかだ。

 【反論<2>潜在スピード】そもそも相当に速い。昨秋の米国遠征(BCマイル11着)では、マイルでなく1000メートルのBCターフスプリント起用のプランもあったほど。鹿戸師は「スピードはある。初めての距離なので不安もあるが、課題のゲートさえ決まれば頑張ってくれると信じている」と期待を隠さない。G1昇格以降、1200メートルからの同距離での臨戦は連対率10・5%、短縮での臨戦は同13・4%。潜在スピードのある馬はむしろ買いだ。

 【反論<3>大駆け血統】ウインカーネリアン自身、3歳時に1勝クラス勝ちから中2週の皐月賞で17番人気4着。人気に反発するのは血筋だ。鹿戸師が手がけた父スクリーンヒーローはG1初挑戦の08年ジャパンCで単勝41倍V。母の父マイネルラヴは新馬戦以来となるスプリント戦だった98年スプリンターズSでタイキシャトルを撃破し単勝37・6倍V。まさに意外性の血脈。データに基づいたコンサバは穴馬券を取れない。一見“不適性”に見えるからこそ高配当のチャンスだ。 

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