【高松宮記念】ビクターザウィナー 香港馬2頭目Vへ静かな闘志!距離適性重視で参戦
2024年3月22日 05:23 中京競馬場で調整中の香港馬ビクターザウィナーが決戦の地で静かに闘志を燃やしている。木曜朝はダートコースをダクとキャンターで約1周半ゆったり流した。環境にも慣れた様子でリラックスムードが漂う。調教後に行われた共同記者会見に出席したプイチョウ・マン助手は「ここまで調整は順調ですし、今朝が一番いい状態だと感じました」と上昇ぶりを口にした。
香港の最強中距離馬ロマンチックウォリアーを管理するシャム厩舎が送り込む刺客。G1初制覇を飾った前走のセンテナリースプリントCはロケットスタートから逃げ切り、昨年の香港スプリント覇者ラッキースワイネス(6着)を完封した。ハイレベルな香港スプリンターの中でもトップレベルの能力を秘めている。
参戦を決断した理由について、シャム師は二つの点を挙げた。「次走の候補としては1400メートル戦の香港G1もあったけど、この馬は1200メートル戦がベスト」と距離適性を重視。さらにキャリア15戦目で初となる左回りへの対応にも自信をのぞかせる。「香港に来る前、オーストラリアでは左回りの調教でいい動きをしていた。香港でも月曜の調教は左回りで乗っていて、助手も“大丈夫”と言っているしチャレンジすることにしたんだ」と明かす。
シャム師は香港のトップトレーナーだったアラン厩舎で調教助手を務め、00年安田記念を制したフェアリーキングプローンにも携わった。調教師として日本で出走するのは12年スプリンターズSのリトルブリッジ(10着)以来。「あの時は英国(キングズスタンドS1着)に行った後の遠征で馬が疲れていた。ビクターザウィナーはフレッシュだし凄くいい感じ。今回の方が期待できるよ」。15年エアロヴェロシティ以来となる香港馬Vへ、自信満々に送り出す。
【過去参戦の香港馬2頭ともに上位争い】高松宮記念に参戦した香港馬の2頭は15年エアロヴェロシティ1着、18年ブリザード5着とともに上位争い。同じ1200メートル戦のG1スプリンターズSでは05年サイレントウィットネス、10年ウルトラファンタジーの香港馬2頭が制した。スプリント王国の実力馬は日本でも結果を出している。ビクターザウィナーは昨年12月の香港スプリント(4着)で日本から遠征したジャスパークローネ(7着)、マッドクール(8着)に先着。アウェーの地でも日本馬撃破に挑む。