ルーキー高杉「全て師匠のおかげです」 感謝と恩返しが原動力!函館リーディング4位
2024年7月5日 05:25 今年デビューした高杉吏麒(18=藤岡)が函館で躍進中。現在、開催7勝でリーディング4位。あと2週となって首位が10勝の横山武、2位が9勝の武豊だから食らいついている感が評価に値する。
「昨年はデビュー2年目の佐々木大輔さんがリーディング。僕がそれを超えるチャンスは今年しかないってことですよね」
意欲こそのぞかせている。しかし、騎乗馬のジャッジは慎重で特に日曜のメイショウホダワラ、ファイツオン、ダノンペドロ、カナオールウェイズは有力馬に相当するが、コメントから強気度は感じられない。「辛口なので…。すいません」と申し訳なさそうな顔。
デビューから現在までの出来事ではデビュー2週目の重賞騎乗(金鯱賞=ワイドエンペラー6着)が話題を集め、函館では新馬勝ちしたレースでの斜行から2日間の騎乗停止もあった。そこで見え隠れするのは高杉を「リキ」と呼ぶ藤岡父子のバックアップだ。
「全て師匠のおかげです」と感謝した上で「佑介さんには技術面と私生活でも教わることばかり。康太さんにはデビュー前に鞍など馬具一式をプレゼントしてもらいました。今でも大切に使っています」と、落馬事故で4月に亡くなった藤岡康太さんとのエピソードも教えてくれた。
さらに母子家庭で育ったことも隠さない。「書いてもらっていいですよ。僕と妹はおじいちゃん、おばあちゃん、お母さんに育ててもらいました。活躍することが恩返しになると思っています」とキッパリ。
プロスポーツ選手で感謝と恩返しを原動力とする例は多く、高杉も同様。意外な一面は飛行機の搭乗が大の苦手で、ホラー系など「ヤバイくらいにびびり」と怖がるそうだ。憎めないキャラも持ち合わせている。
◇高杉 吏麒(たかすぎ・りき)2005年(平17)9月28日生まれ、滋賀県出身の18歳。祖父が厩務員で馬と触れ合う機会があり、騎手を志す。栗東・藤岡厩舎所属で今年3月にデビューし、自厩舎のコムルヴァンに騎乗した同23日の中京6R・3歳未勝利(若手騎手限定)で初勝利(16戦目)。JRA通算139戦15勝で現在、ルーキー最多の勝ち星を挙げている。1メートル65、48キロ。血液型A。