【セントウルS】トウシンマカオ 大外強襲V!菅原明「さらに良くなると思います」

2024年9月9日 05:24

<セントウルS>ゴール前の接戦を制したトウシンマカオ(撮影・椎名 航)

 中京のサマースプリントシリーズ最終戦「第38回セントウルS」はトウシンマカオが差し切り、重賞4勝目を飾った。

 計ったような大外強襲。トウシンマカオが馬場の奇麗な外から上がり3F33秒1の末脚を繰り出し、重賞4勝目のVゴールへ飛び込んだ。菅原明は「左回りの実績があまりなく半信半疑でしたけど、しっかり反応してくれた。最後はいい脚を使ってくれたので(前を)かわしてくれたらと思いました」と喜びを語った。

 相棒の決め手を信じていた。鞍上は「土曜、日曜のレースを見ても前で決まっていました。外枠で厳しい競馬になると思っていたけど、大きく走らせた方がいいタイプですからね」。言葉通り末脚勝負に徹した。道中は終始、のびのび走れる後方の外めを追走。いつでもスパートできる準備を整えた。直線半ばで渾身(こんしん)の右ステッキ2発。ギアがグインと切り替わった。先に抜け出した昨年のスプリンターズS覇者ママコチャをゴール手前で捉えた。「前哨戦で余裕があった。これでさらに良くなると思います。いい状態で本番へ向かいたい」と次を見据えた。

 前走京王杯SC(6着)の後は放牧へ。心身ともに大きく成長。5歳秋を迎え、本格化を告げる大きな1勝だった。高柳瑞師は「最後はいい脚を使ってくれました。ジョッキーも上手に乗ってくれたし、強い内容だったと思います」と人馬を称えた。堂々と優先出走権を得たスプリンターズS(29日、中山)へ向かう。指揮官は「精神的には落ち着いてきた。あとは肉体面でもう一段階(上が)あればと思います」とさらなるレベルアップを目指す。父ビッグアーサーは16年にこのレースを制した後、スプリンターズSは12着に敗れた。8年の月日を経て、息子が父の忘れ物を取りにいく。

 ◇トウシンマカオ 父ビッグアーサー 母ユキノマーメイド(母の父スペシャルウィーク)19年5月1日生まれ 牡5歳 美浦・高柳瑞厩舎所属 馬主・サトー 生産者・北海道新ひだか町の服部牧場 戦績19戦7勝(重賞4勝目) 総獲得賞金2億9266万9000円。馬名は冠名+地名。

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2024年9月9日のニュース