大久保がNZ武者修行で“競馬愛”を再確認

2024年9月11日 10:30

ニュージーランドでの経験を語った大久保

 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は大阪本社の新谷尚太(47)が担当する。デビュー3年目の大久保友雅(21)は今年1月末から武者修行で単身、ニュージーランドへ。馬乗りに励む日々や今後のビジョンについて聞いた。

 武者修行でニュージーランドに旅立った大久保が一時帰国。先週、久しぶりに栗東で稽古をつけた。

 デビュー3年目を迎え、何かを変えないといけない――。行動を起こした。海を渡った経緯を振り返る。

 「村山先生から電話を頂き、先生の知り合いの方にトニー・パイク厩舎を紹介していただきました。体重超過(昨年5月)で制裁を受けた後も村山先生は目をかけてくださって、凄く感謝しています」

 日本を離れ、何もかもが初めてで当然、苦労が多い。それと同時に経験すること全てが新鮮だった。「ニュージーランドは施設が自然に近い状態。その分、普段から馬がリラックスしていて常にフレッシュな感じですね」。午前3時半に起床し、厩舎作業をこなしてから4時半に調教が開始する。そして9時ごろまで乗りっぱなし。現在は拠点とするパイク厩舎以外の調教にも積極的に参加し、多いと20頭ほど稽古をつける日もある。「調教前の馬装や馬房の掃除もしていますよ。競馬学校に在籍していた頃の生活を思い出しながら作業に取り組んでいます。大変なこともあるけど改めて、この仕事と馬が好きなんだと思いました。やりがいを感じています」としみじみ言葉をつないだ。

 調教後は息をつく暇もなく語学学校へ。世界各国から学びに来る学生とともに勉学に励んでいる。「英語力が凄く上がりました。調教をこなして昼から学校となると大変だけど充実した生活を送っています」。現在はニュージーランドで騎乗するために必要な「IELTS」(アイエルツ)という英語検定によるポイント取得を目指している。

 祖父は94年3冠馬ナリタブライアンを育てた大久保正陽元調教師、伯父が現役トレーナーの龍志師、父・裕章氏は現在、畑端厩舎で調教助手を務める。競馬一家に育ち、自然と騎手の道へ。「馬に乗ることに関しては自信があります。JRAで騎乗している同期が頑張っているし、僕もアピールして、いずれは日本で活躍するジョッキーになりたい」と抱負を口にした。異国の経験は、きっと今後の糧になる。大久保のチャレンジにエールを送りたい。

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