【京成杯】良血ガルダイア弾む乗り味!Wコースで半馬身先着、国枝師「馬への当たりが柔らかい」
2025年1月16日 05:30 3歳G3「第65回京成杯」の追い切りが東西トレセンで行われた。先週の3日間開催に伴う変則日程で、出走予定馬の大半が、木曜の最終追いを選択。そんな中、美浦Wコースでは良血ガルダイアが関東馬で唯一の最終追い。初コンビを組む“調教名人”杉原誠人(32)が感触を確かめ、クラシックの登竜門へ挑む。
ガルダイアと初コンタクトを取った杉原の表情は晴れやかだった。ここまでルメール、ムーアが騎乗してきた名門・国枝厩舎の素質馬。3戦目の鞍上には“どんな馬でも乗りこなす男”が抜てきされた。杉原は「攻め馬の段階だけど、めちゃくちゃ乗りやすかった。もう少し幼さを残しているかと思ったが、ちゃんとこっちを向いてくれている」と声を弾ませた。
Wコースでの最終リハ。京成杯と同日の日経新春杯に出走するプラチナトレジャー(7歳オープン)を2馬身前に置いて折り合った。直線は外に進路を取り、馬なりのままスムーズに加速。年長の実力馬との差を一瞬で詰め、勢いを保ったまま半馬身先着した。鞍上は「他の馬を少し怖がる面はあったけど、弾むようなフットワークで乗り味はいい」と笑みを浮かべた。
グランアレグリア、スターズオンアースといった名馬のトレーニングに携わり、各陣営が手を焼くクセ馬の調教も任せられることが多い杉原。トレセン内では馬への繊細なコンタクトが高く評価されている。新馬戦(1着)、ベゴニア賞(3着)で好走も、コントロールに難があるガルダイア。国枝師は「馬への当たりが柔らかい。現状ではガツンとケンカしていくより、馬の気持ちを優先する方が競馬はしやすい」と杉原起用の意図を明かした。杉原も国枝厩舎での重賞挑戦は今回が初。「先生の最後のクラシックにもつながる一戦。いいところを見せたい」。来年2月で70歳定年を迎える名伯楽への思いを口にした。
スラリとした馬体。マイルのベゴニア賞ではゴールまで伸び続けた。「距離が延びて良さそう」との見解は陣営の総意だ。姉アエロリットは時に制御が困難になるほどの強烈なスピードで17年NHKマイルCなど重賞3勝。弟も姉同様、素質と危うさが同居する現状だが、杉原の優しいリードなら自然体で力を出し切れる。
《クラシックVの“登竜門”》京成杯はかつて「優勝馬はクラシックを勝てない」というジンクスが存在した。1984年グレード制導入以降では、2010年Vのエイシンフラッシュが初めてジンクスを破り同年のダービーを制覇。その後はまたクラシックから遠ざかったが、直近2年は23年Vソールオリエンスが皐月賞、昨年Vダノンデサイルがダービーを優勝。本番まで間隔を空けるという近年のトレンドとも相まって、トライアルよりも重要な“登竜門”としての価値が高まっている。