【ばんえい競馬】発熱の多発は「馬コロナウイルス」が由来 人にはうつらず開催も続行
2025年1月16日 14:13 帯広市農政部ばんえい振興室は16日、米沢則寿市長名で「帯広競馬場内における競走馬の感冒等感染症拡大について」とのリリースを発表。ばんえい競馬において、発熱により出走を取り消す馬が続出している件について、8頭から馬コロナウイルス遺伝子の陽性反応が確認されたと発表した。
16日までに十勝家畜保健衛生所で、発熱症状を見せた馬の検体を検査した結果、8頭から馬コロナウイルス遺伝子の陽性反応を確認。今回の主な症状である発熱、食欲不振、元気消失、消化器症状(下痢)と合致していることから、馬コロナウイルス感染症と診断された。
感染拡大を防ぐため、ばんえい帯広競馬場では1月12日から当面の間、「競走エリア、厩舎エリアにおける消毒」、「厩舎エリアにおける消石灰散布」、「土ぼこり防止のための運動場における散水」、「競走馬の入退厩制限」、「馬主の入場制限」、「協賛レースなどにおける口取り写真撮影の取りやめ」といった防疫措置を講じている。
なお、競馬は通常通り開催する方針。
馬コロナウイルス感染症は馬コロナウイルスによって感染する。ばんえい競馬では04年から12年までの間に3度、同感染症が流行したことがある。また、人にうつることもない。
人の新型コロナウイルス感染症は呼吸器に症状が発生するが、馬コロナでは消化器系に異常を発生することが多い。とはいえ、多くは無症状で推移し、症状が現れても抗炎症薬などによる対症療法で改善するとされる。